| AI主導の半導体需要加速と、同社が「同業他社に比べて著しく過小評価されている」との判断 |
| 2026年6月11日 | — → 1,770ユーロ | ASML、ASMインターナショナル、BEセミコンダクター、Nebiusを含む欧州半導体製造装置メーカー全体の目標株価を一斉に引き上げ。メモリ需要の強さや業界のポジティブなデータを反映 |
| 2026年7月1日 | 1,770ユーロ → 2,000ユーロ | 最新の需要動向と、同銀行が実施したASML訪問調査(2026年5月)に基づく強気見通し |
これらの引き上げはすべて、AI向け半導体インフラへの投資拡大と、ASMLの独占的なポジション(最先端のEUVリソグラフィ装置の唯一のサプライヤー)に対する信頼の高まりを背景としています。
ASMLの株価が2026年に約72%も上昇した背景には、以下の5つの具体的な要因があります。
2025年第4四半期から2026年初頭にかけて、韓国のメモリ大手SKハイニックスが、ASMLに対して約7.97億ドル(12兆韓国ウォン) 相当のEUV装置を発注しました。これは2027年度までの長期契約であり、AI向けHBM(高帯域幅メモリ)の生産拡大を目的としています。
2025年第4四半期(10〜12月)のASMLの受注額は131.6億ユーロに達し、市場予想(69.5億ユーロ)を大きく上回りました。CEOのクリストフ・フーケ氏は、「顧客の多くが中期的な市場見通しを顕著に改善している」と述べています。
2026年4月15日に発表された第1四半期決算は、売上高88億ユーロ、純利益28億ユーロと市場予想を上回る内容でした。これを受け、同社は2026年の通期売上高見通しを従来の340億〜390億ユーロから、360億〜400億ユーロに上方修正しました。粗利益率も51%〜53%と高い水準を維持する見通しです。
ゴールドマン・サックスだけでなく、UBS、ドイツ銀行など主要投資銀行もASMLの目標株価を引き上げています。UBSとドイツ銀行は2026年4月に目標株価を1,500ユーロから1,600ユーロに引き上げ、買い推奨を維持しました。このようなポジティブなアナリスト・コンセンサスが、株価上昇を後押ししています。
ASMLの次の決算発表は、2026年7月15日(水) に予定されています(米国市場寄り前)。市場では、第2四半期(Q2)の売上高ガイダンス(84億〜90億ユーロ)が達成されるかどうかに注目が集まっています。
ASMLは、2025年に開催した投資家向け説明会で、2030年までに年間売上高440億〜600億ユーロ、粗利益率56%〜60%の達成を目標に掲げています。EUV装置の出荷台数は2027年に80台を超えるとの見方もあり、AI需要の持続的な拡大がその実現の鍵を握っています
。
しかし、一部のアナリストは中国向け輸出規制の強化や、マクロ経済の不透明感がリスク要因になると指摘しています。
ゴールドマン・サックスによるASMLへの目標株価2,000ユーロの提示は、半導体業界における**「AIバブルではなく、本格的な構造需要」**という見方を強く裏付けるものです。同社のEUV技術は、今後数年にわたって最先端AIチップの生産に不可欠であり、その独占的な立場は揺るぎそうにありません。
投資家にとっては、7月15日の決算発表で、Q2の受注動向や2026年後半のガイダンスが焦点となるでしょう。