各段階で評価額はほぼ倍増しており、すべての主要な数字が11の倍数となっています。このパターンはアナリストやテックプレスからも注目されていますが、同社が意図的に設定しているかどうかについて公式のコメントはありません。
ElevenLabsの年換算経常収益(ARR)成長は、AI業界でも異例のスピードです。
| 時期 | ARR | 出典 |
|---|---|---|
| 2025年末 | 3億3000万ドル以上(CEO Mati StaniszewskiがBloombergインタビューで確認) | |
| 2026年第1四半期 | 約4億3000万〜4億5000万ドル(四半期だけで約1億ドルの純増) | |
| 2026年4月下旬 | 5億ドル超(2026年最初の4カ月で達成) |
ARRが3億3000万ドルから5億ドルに達するまでにかかった期間はわずか約4カ月。クラウドコミュニケーション大手のTwilioが同じ水準に到達するのに8年を要したことを考えると、その成長速度が際立ちます。
ElevenLabsは、**Piotr Dąbkowski(CTO)とMati Staniszewski(CEO)**の両氏によって創業されました。2人ともポーランド出身であり、同社はポーランドのテクノロジー・エコシステムと深い結びつきを持っています。2026年初頭時点の従業員数は約400人。
CEOのMati Staniszewski氏は2026年3月、同社が2〜3年以内にIPOに対応できる体制を整える目標を表明しました。これは、欧州で創業された主要なAIアプリケーション企業としては初のIPOとなる可能性があります。同社は現在、主要市場(米国NASDAQなど)に加えて**ワルシャワ証券取引所(WSE)への二重上場(デュアルリスティング)**を積極的に検討しており、その背景にはポーランドのルーツや優秀な人材との結びつきを維持したいという意向があります
。
2026年6月、ポーランドのstate開発銀行BGK(そのベンチャー部門Vinci SAを通じて)がElevenLabsに1100万ドルを出資し、少数株主となりました。この資金はワルシャワに国内AI研究開発拠点**「AI Lab Poland」**を設立するために充当され、以下の目的を持ちます。
ElevenLabsのテンダーオファーは、AIセクター全体で広がるセカンダリー株式売却の一部です。Bloombergが指摘するように、IPO前に従業員が株式を現金化できるセカンダリー・オファリングは、AIスタートアップが流動性を提供する手段として「ますます一般的に」なっています。このトレンドにより、初期の従業員や投資家は利益を確定できる一方、企業はIPOを先延ばしにすることができます。また、AI株式に対するプライベート市場の需要を測るバロメーターとしても機能します。同様のセカンダリー取引を行った主要なAI企業にはOpenAIやWayveなどがありますが、具体的な条件や評価額はそれぞれ異なります
。ElevenLabsの評価額は約18カ月で33億ドルから220億ドルへと急上昇しており、このトレンドの最も顕著な事例の一つです。