評価額については €92M(約$100M、SEK 10億)で複数のメディアが一致している。米ドル換算では $22M、$22.7M、$23.2M などの表記ゆれがあるが、中核となる€20Mの調達額はすべてのソースで共通している。
Franck CEO は、創業の経緯をこう振り返る。「自分の子供たちがスポーツを始めたとき、試合にどうしても行けない日があると、それを観る方法が全くなかったんです。」 この個人的な課題感が、放送局が通常カバーしない下部リーグやユース年代、草の根競技向けに、AIでライブスポーツの制作・配信を完全自動化するプラットフォームを開発する原動力となった。
会長のPersson氏は、1994年に創業した世界的なTV放映権ブローカー IEC in Sports を2度売却(約SEK 3.4億、SEK 7.5億)した経験を持つスポーツ権益のベテラン。AI時代のスポーツメディアに再び挑戦する形だ。
Sportway の主要プロダクトは、完全エンドツーエンドの自動映像制作プラットフォーム。人間のカメラクルーを必要とせず、AI搭載カメラシステム、自動スイッチング、リアルタイムグラフィックス、データ統合をワンストックで提供する。
調達ラウンド時点での主な指標は以下の通り。
Sportway は自社開発だけでなく、積極的な買収・統合戦略 でフルスタックのAI制作エコシステムを構築してきた。主な買収案件は以下の通り。
これらのM&Aにより、ストリーミング基盤、OTT技術、AI制作ソフト、コンテンツ制作実績を統合し、スケーラブルな統合メディアプラットフォームを実現している。
特に注力するのは以下の3点。
Sportway のプラットフォームはユースリーグや学校スポーツにも広く使われているため、未成年者のデータ保護とプライバシーに関する取り扱いは重要な論点となる。
参考までに、英国ICOの「年齢に適したデザイン規範」やEU GDPRでは、13歳未満の子供のデータ処理には親権者の同意が必要、位置情報機能はデフォルトでオフ、子供のデータはその子の最善の利益となる compelling reason がない限り共有してはならない、などの基準が示されている。 Sportway がこれらの基準をカメラ設置・配信運用において明示的に適用しているかどうかは、公開情報からは確認できない。
これは問題の存在を示すものではないが、同社のビジネスモデルが子供たちのスポーツ活動を撮影・配信するものである以上、透明性の面で潜在的なギャップとして認識されるべき点である。
Gamma Waves(ユベントスOBらがバックに控える)がリードし、サブスクリプション収益をベースと見られる評価額が示す通り、今回の€20Mラウンドは、AIによる自動スポーツ制作が成長期の資金を集めるフェーズに入ったことの証左と言える。
2017年の「親の不満」から始まった同社が、2026年には年間25万試合をカバーするまでに急成長した事実は、プロのトップリーグだけでなく、最末端のユースリーグに至るまで、AIがスポーツ放送の形を根本から変えつつあることを示している。自動化によって、これまで経済的に不可能だったスモールマッチのライブ配信、アーカイブ、マネタイズが現実のものとなった。