「超ファストファッション」の定義。 同法は、「超ファストファッション」(mode ultra-express)を以下の2つの累積基準で定義する:①フランス市場に投入される新規繊維製品の膨大な数量、②製品価格と修理コストの比率で測られる修理誘因の弱さ 。この定義は、欧州連合(EU)が最近採択した廃棄物枠組み指令と整合する
。具体的な数値基準(1日あたりの新製品投入数など)は、今後の政府令(デクレ)で定められる
。
段階的な課徴金。 核心的な執行メカニズムは、定義に該当する企業に課される製品1点あたりのエコ・コントリビューション(環境負荷金)である。罰金は2026年は1点あたり0.25~6ユーロと低めに設定され、2030年には1点あたり10ユーロにまで急騰する 。課徴金の上限は製品の税抜き販売価格の50%とされている
。なお、複数の権威ある情報源(ロイター、Hindustan Times、ル・モンドなど)は、2030年の上限を一貫して10ユーロと報じている。一部の修正案で言及された20ユーロという数字は、最終可決された条文に関する権威ある報道には登場しない
。ファッションネットワークUSAは「政府修正案により罰金は2030年までに1点あたり最大20ユーロに達する可能性がある」と報じているが、これは最終妥協前の法案のバージョンに関する言及とみられる
。最終法における課徴金の上限は10ユーロである。
広告・インフルエンサー禁止。 同法は、超ファストファッション企業による従来型・デジタル型を問わないあらゆる広告を全面禁止する。また、オンライン・インフルエンサーによるこうした企業のプロモーションも禁止する 。この措置は、超ファストファッションの大量販売モデルを駆動するマーケティングエンジンそのものを排除することを目的としている。
同法は、その適用範囲の狭さに対して大きな批判に直面している。批判者らは、2つの法的基準——製品数量と修理コスト比率——は、事実上、欧州のファストファッション小売業者を除外し、アジア系プラットフォームのみを標的とするように調整されていると主張する。
同法を取り巻く最大の法的懸念は、EU法との直接的な衝突である。
それでもフランスは強行した。 委員会の異議にもかかわらず、フランス議会は2026年6月29日に法案を可決した 。同法は発効前に、大統領による正式な公布(署名)を受ける必要がある
。Sheinは最終可決に対し、一部の措置は「デジタルサービスと電子商取引を規定する適用可能な欧州の枠組みとの間に矛盾を残しているように見える」とコメントした
。欧州委員会は最終可決について即座にコメントしなかった
。フランスは、EUの他の廃棄物指令の根底にある環境原則に依拠していると主張している
。
継続する法的な不確実性。 委員会が同法をEU法違反とみなしているため、フランスが現行の形で同法を執行した場合、違反手続き(欧州司法裁判所への提訴)に直面する可能性がある。同法は議会の通過というハードルを越えたが、その長期的な執行可能性は、ブリュッセルとの交渉による修正か、EUレベルでの法廷闘争の結果に依存している 。この対立の行方は、ファッション業界に大きな影響を与えるとともに、各国の環境規制とEU単一市場ルールの間の力関係を決定づけるものとなる。