Kunlunxinの評価額は、この1年で劇的に上昇している。
注意点:500億ドルという数字はThe Informationの単独報道である。Reutersは「計画段階であり、詳細は不透明」としている。また、JefferiesのアナリストはIPO後の評価額を160億ドル〜230億ドルと試算していた
。
主要なIPOとしては異例の試みとして、Kunlunxinは投資家に株式引受額の3〜7倍相当のチップ購入を求めている。この条件により、IPOの割り当てと製品購入が直接連動することになる。これは、調達資金の最大化よりも、コミットした顧客ベースの構築に注力していることを示しており、自社製品のロードマップに対する自信の表れとも解釈できる。
Kunlunxinの財務状況は、重要な成長段階にある企業の姿を示している。
2025年の売上高の半分以上は外部顧客からのものと見込まれている。Kunlunxinは従来、親会社の百度向けが中心だったが、外部販売を拡大している。外部顧客には、インターネット大手、スマートフォンメーカー、通信事業者、国有企業が含まれる
。最先端チップ「P800」は、国有企業や政府機関によるデータセンター案件で採用が進んでいる
。
製品ロードマップは3つのチップラインで構成される。「P800」、2026年初頭にサンプル出荷予定の推論アクセラレーター「M100」、そして統合トレーニング/推論ワークロード向けで2027年投入予定の「M300」である。JPMorganのアナリストは、Kunlunxinのチップ販売が2026年に6倍の80億元(約11億ドル)に拡大すると予測している
。
KunlunxinのIPOは、中国AIチップメーカーへの投資家の熱狂的な関心が急騰する中で行われている。その背景には、2つの大きな力がある。
1. 米国の輸出規制強化。2025年4月、米商務省はそれまで中国向けに許可されていたNvidiaのH20チップを規制対象とした。2025年12月にはH200の輸出が許可されたが、全体的なトレンドは中国を先端AI半導体から遮断する方向にある。Brookings研究所の分析は、米国が事実上、中国のAIチップ市場を国内プレイヤーに委ねたと結論づけている
。
2. 国内AIチップIPOの沸騰。中国のAI・GPUチップ株は初日に驚異的な上昇を記録している。