しかし、署名直後から両者の「解釈」に大きな隔たりが生じました。米国は海峡の国際的な自由航行を前提としていましたが、イランはMOUの文言(第4条で「イラン・イスラム共和国によって再開される」)を根拠に、自国が海峡の通行を規制する権限を持つと主張
。ISWの報告によれば、テヘランは最終的なMOU文が、ホルムズ海峡を含む自国の主要な戦争目標を満たしていると宣言しました
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イランはこの主張をさらに推し進め、6月23日までにはオマーンとの間で「合同メカニズム」を設立し、長期的に海峡の管制権を掌握するための具体的な措置を開始しました。このメカニズムにより、イランは自国の裁量で海峡通過を制限できるようになる可能性がありました。
ガーディアン紙は、MOUの文言が「あまりにも曖昧で大まか」だったと指摘。特に第5条で「商業船舶の安全な航行を確保するために最善の努力(best efforts)を行う」と「取り決め(arrangements)」という表現が定義されておらず、両者がまったく異なる解釈をする余地を残したことが、その後の混乱の火種になりました。
6月26日未明、トランプ大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「少なくとも4機」の自爆型ドローンがホルムズ海峡を航行中の貨物船を攻撃したと投稿。ドローン1機が「大型で高価な」貨物船の上甲板に命中したが、同船は航行を続けられたとしています。トランプ氏はこれを「和平合意に対する愚かな違反」と非難しました
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同日、米軍は2夜連続の空爆を実施。シリク、バンダレ・レンゲ、ケシュム島の沿岸部にある軍事監視インフラ、通信システム、防空施設、ドローン貯蔵施設、機雷敷設能力などを標的としました。CENTCOMはこれを「自衛」のための行動であり、「商業船舶に対するイランの継続的な攻撃に直接対応するもの」と説明しています
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イスラム革命防衛隊(IRGC)は犯行声明を出し、バーレーンの米第5艦隊司令部とクウェートのアリ・アル・サレム空軍基地を標的にしたと発表しました。バーレーンでは空襲警報が鳴り響き、クウェートは防空システムで「敵対的なミサイルとドローンの脅威」に対応していると明らかにしました
。クウェートはイランのドローンとミサイル2発を迎撃したと発表し、死傷者や被害は報告されていません
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ホルムズ海峡は、世界で最も重要な石油の「チョークポイント」です。平時には世界の石油消費量の約20%(日量1700万~2000万バレル)が通過します。そのため、MOUが署名され米国が6月18日に海上封鎖を解除した際には、世界のエネルギー市場は即座に反応。ブレント原油は1バレル=約80.59ドルまで8.5%下落しました
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新たな協議の日程は一切設定されていません。ガーディアン紙は6月28日、停戦は「崩壊寸前」であり、MOUはホルムズ海峡の管理権やレバノン停戦の条件など、中核的な争点を解決できないままであると報じています。イランのアッバス・アラグチ外相は、同国が今後30日間、海峡の「単独管理と監視」を行使し、その後で完全な通行を再開させると述べています
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2026年6月17日に署名された米イランの暫定和平合意は、わずか11日間で崩壊しました。6月28日までに、両国はホルムズ海峡を舞台に応酬を繰り返し、イランは湾岸の隣国を攻撃し、交渉は完全停止を脅かされています。この混乱の根底には、「誰がホルムズ海峡を管理するのか」という根本的な問題が未解決のままであることがあります。イランは曖昧なMOUを盾に排他的な権限を主張し、米国はイランが停戦条件に違反したと非難し、対立は深まる一方です。