その発端となったのが、2026年1月30日のトランプ大統領によるケビン・ウォーシュFRB議長の指名でした。ウォーシュ氏は金融規律を重視するタカ派と見なされており、この指名により、ドル高・米国債の信用力回復への期待が一気に高まりました。
Charles Schwabの定義によれば、デベースメントトレードとは「過剰な政府債務、抑制のないマネープリンティング、そして法定通貨への信認喪失」を前提に、投資家がドルから逃避し、金や銀、不動産、ビットコインなどのハードアセットに資金を移す戦略です。このトレードは2025年から2026年初頭にかけて大きな上昇を牽引し、金は1オンスあたり5594ドルの史上最高値、銀は120ドル、ビットコインは10万ドルを超える水準まで買われました
。
売り浴びせはいくつかの連鎖的なチャネルを通じて加速しました。
今回の動きの特徴は、投資家が金とビットコインの間で資金を動かしているのではなく**、両方の資産から同時に撤退し、ドル建ての利回り資産へと資金を移している**点です。
金、銀、ビットコインの同時暴落は、偶然ではありません。それは、FRBのタカ派体制転換と強制決済の連鎖によって増幅された、デベースメントトレードの構造的な崩壊です。
投資家はもはや「金とビットコインのどちらを買うか」を選んでいるのではなく、**「リスク資産(金・ビットコイン)を売って、ドル建ての利回り資産を買うか」**を選んでいます。このマクロの計算式が変わらない限り、ハードアセットへの圧力は続くでしょう。
当面の注目ポイントは、ビットコインが5万4000~5万6000ドルのサポートゾーンを維持できるか、金が心理的節目の4000ドルを回復できるかです。どちらの資産も、もはや「希少性」のストーリーではなく、「ドルの強さ」というマクロ要因で値が決まっているのです。
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