貧困リスクが急増
地球温暖化が1.5℃に抑えられた場合でも、約6000万人の欧州人が複合気候極端現象による貧困リスクに晒される可能性がある。現行の政策と各国の公約に基づく軌道(2.7℃の温暖化)を辿った場合、その数は1億2700万人を超えると推定される 。
将来の所得減少見通し
2100年までに温暖化が2.7℃に達した場合(現行の政策軌道に近い)、欧州の平均的家計所得は、温暖化が起きなかった場合と比較して、27%も低下する可能性がある。温暖化の上昇を1.5℃に抑えられた場合、平均的な減少率は約7%に留まる 。
研究発表と同じ週に、欧州は2026年6月の壊滅的な熱波に見舞われ、複数の国で観測史上の気温記録が塗り替えられた。学術的な発見と現実の出来事との関連は、即時的で生々しいものとなった。
研究発表と時を同じくして、世界保健機関(WHO)欧州地域事務局は、過去4年間に欧州全域で20万人以上が熱関連の原因で死亡しており、その大半は予防可能だったと報告している 。世界的に見ても、熱ストレスは最も致命的な環境危険因子であり、年間約50万人の死亡原因となっている
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シュライペン研究員は次のように強調している。「熱波と干ばつが同時に発生すると、別々に発生した時よりもはるかに大きな被害をもたらす可能性があるのです」。研究データはこの点を裏付けており、複合効果は個々の影響の合計をほぼ2倍にする。このことは、熱波や干ばつを単独で想定して計画を立てる政策立案者は、適応策への投資を過小評価する危険性があることを示唆している。
研究では、欧州全体で複合的な高温・干ばつ現象の頻度が増加していることも明らかになっており、これは、人為的な気候変動が多くの地域でこのような複合現象の頻度を2倍にしたことを示す広範な学術文献の知見と一致する 。
研究発表に際し、シュライペン氏は「現在の熱波は、すでに人々の健康、生活、労働能力を脅かしています」と警告を発した 。科学者らは、欧州が世界で最も速い速度で温暖化が進む大陸であり、気温上昇率が世界平均の約2倍であること、そして老朽化したインフラと限られたエアコンの普及状況が、適応策を緊急の優先課題としていることを強調している
。同研究は、急速な排出削減と、特に最も脆弱な世帯を対象とした適応への投資が大幅に増加しなければ、今後数十年間で欧州の不平等と貧困は大幅に悪化すると警告している
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