スペースX株は上場直後に急騰し、一時は時価総額でアマゾンやマイクロソフトを上回る場面もありました 。当然の流れとして、多くの投資家が利益を確定するために売りに回りました。これは大型IPOの後によく見られるパターンです
。
スペースXは6月22日、同社初となる投資適格級の社債発行を発表しました。調達額は最低200億ドルで、ブリッジローンの返済とAI事業拡大の資金に充てるとされています 。この発表は、IPOで750億ドルを調達した直後にもかかわらず、同社が積極的にレバレッジを効かせていることへの懸念を株式保有者の間に引き起こしました
。債券市場では約890億ドルの需要が集まる異例の盛況でしたが
、株式市場の反応はネガティブで、この日、株価は上場以来最大の下落率となる16.4%の急落を記録しました
。
スペースXの下落は、世界規模で進行していたハイテク株の連鎖的な売りと同時に発生しました。6月22日にはアルファベット(グーグル)とアマゾンがそれぞれ約5%下落し、ナスダック総合指数は2%下落しました 。「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる米国を代表する7銘柄のうち6銘柄が下落。投資家の間では、AIへの過剰な投資、金利上昇、企業債務の増加に対する懸念が高まっていました
。ニューヨーク・タイムズはこの状況を「ハイテク株の売りが世界に広がる」と報じています
。スペースXもこのリスク回避の流れに巻き込まれ、その下落がさらなる市場全体の下落を加速させました
。
| 日付 | 主な出来事 | 概算時価総額 |
|---|---|---|
| 6月12日(終値) | IPO初日、160.95ドルで終了 | 2兆ドル超 |
| 6月17日~18日 | 最初の下落。FRBのタカ派シグナル | ピークから減少 |
| 6月22日(終値) | 3日連続の下落。社債発行を発表 | ピークから約6,000億ドル減 |
| 6月23日(日中) | 初値150ドルを一時割り込み、2%反発 | 2兆ドル未満 |
スペースXの株価は、IPO価格(135ドル)を下回ってはいません。しかし、6月23日には上場初日の初値(150ドル)を一時下回り、IPO後の値上がり益の多くを失いました。急落の背景には、タカ派FRBによる利上げシグナル、記録的なIPO後の利益確定売り、200億ドルの社債発行発表による株式保有者の警戒感、そして世界中で同時発生したハイテク株売りという4つの複合要因がありました。
その一方で、スペースXはReflection AIとの63億ドルのコンピュート契約を発表し、AIインフラの主要な提供者になるという高リスク・高リターンの戦略的転換を明確に打ち出しています。この野心的な舵切りを、市場が今後どのように評価していくのか。IPO後の乱高下は、スペースXという企業の変革期における最初の試練と言えるでしょう。
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