価格面でも、米国製品に対する優位性は圧倒的です。GLM-5.2のAPI価格は、入力トークン100万あたり1.40ドル、出力トークン100万あたり4.40ドル。これはGPT-5.5の約6分の1、米国のプレミアムクローズドモデルと比較して72~82%低い水準です。独立系セキュリティ企業Semgrepの報告によれば、脆弱性発見あたりのコストは約0.17ドルで、Claude Codeの0.53ドル以上を大きく下回りました
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この技術的な優位性に加え、外部要因がZhipu AIにさらなる追い風をもたらしました。
2026年6月12日、米国商務省はAnthropicに対し、新モデル「Claude Mythos 5」と「Claude Fable 5」に関する緊急輸出規制を発動。国家安全保障上の懸念を理由に、これらのモデルへの全ての非米国人(米国内にいる非市民も含む)によるアクセスを禁止しました。これを受け、Anthropicは全ユーザー向けにモデルを停止する措置を取りました
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この規制は、まさにGLM-5.2が公開された2026年6月13~17日の週と完全に重なりました。世界中の開発者、特にAnthropicの高度なコーディング能力に依存していた企業は、突然のアクセス不能に直面しました。そんな中、GLM-5.2は無料でダウンロード可能なオープンソースモデルとして、コーディング指標でClaude Opus 4.8と1~3%差に迫る性能を備えていました
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この状況は、アナリストやメディアから「DeepSeek 2.0的瞬間」と評されました。2025年1月、中国のDeepSeekが低コストのオープンソースモデルを公開し、米国のクローズドモデルの優位性を揺るがした「DeepSeekショック」の再来と捉えられたのです。
投資家はこれを歴史上の転換点と解釈。Zhipu AIの株価は、GLM-5.2のベンチマーク結果で既に上昇基調にありましたが、端午節後の最初の取引日(6月22日)に、Anthropic規制の実質的な影響が顕在化し、急騰しました。
皮肉なことに、この輸出規制は中国の戦略をむしろ「正しかった」と証明する結果となりました。米国のサイバーセキュリティ幹部からは、規制が「米国の敵対国を利する」可能性が警告されていましたが、その危惧は現実のものとなりました。Zhipu AIは、1月の約510億香港ドルから6ヵ月で約1兆香港ドルへと時価総額を20倍に拡大。技術的な製品力と地政学的な供給ショックが融合した、稀有な事例となりました
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