この6月の下落は、2026年上半期を通じて続いていたリチウム価格の下落トレンドの中で起きました。年初の1トン当たり約7万6400元から6月末には約5万8000元まで下落しており、アフリカや中国国内の新規生産能力の増加、需要の伸び悩み、関税政策の影響などが背景にありました。
CATLは2025年8月9日、枧下窩鉱山の採掘許可が期限切れとなったため、採掘作業を停止しました。同社は2025年8月11日に自社の投資家向けプラットフォームでこの停止を発表しています。この停止は、業界全体の過剰供給を抑制するための一環とも見られました
。
2025年11月には、ブルームバーグがCATLが同年12月初旬までの再開を目指していると報じましたが、この再開は実現しませんでした。その後も鉱山は2026年半ばまで休止状態が続き、CATLは外部からのリチウム鉱石の調達を強いられています
。
重要な注意点: これはあくまで土地使用の事前承認であり、採掘許可証ではありません。土地利用計画をクリアする手続き上の一歩ですが、実際の採掘を認可するものではありません。正式な採掘許可の更新は依然として係属中です。
2026年6月22日時点で、CATLから確定した再開スケジュールは発表されていません。市場参加者の間では、正式な採掘許可が下りれば数週間から数カ月以内に再開されるとの見方がありますが、現時点では推測の域を出ません。一部の報道は短期間での再開を「予想」としていますが、CATLは公式に時期を明らかにしていません
。
鉱山の生産能力については情報源によって数値に幅があります。主な推定値は以下の通りです。
| 指標 | 推定値 | 出典 |
|---|---|---|
| 年間生産能力(LCE換算) | 約4万6000~6万5000トン | |
| 世界供給に占める割合 | 2025年の世界生産量の約3% | |
| 中国のリチウム生産能力に占める割合 | 約5~8% | |
| 月間生産量(操業時) | 約2000~3000トン(LCE換算) |
ロイターは約4万6000トン(世界生産量の約3%)、Fastmarketsは約6万5000トンの年間生産能力
、Investing.comは2万4000~3万6000トン(世界供給の約2~3%)と報じています
。この鉱山は江西省宜春市に位置するレピドライト(硬岩)鉱山で、同地域は中国のレピドライト生産量の約90%を占めています
。
このニュースは香港市場のリチウム鉱山株に直接的な打撃を与えました。
最大の未解決課題は正式な採掘許可の更新です。2025年8月に原本の採掘許可が期限切れとなり、これが操業停止の直接の原因でした。土地使用事前承認は前提条件の一つですが、採掘許可そのものに代わるものではありません。
2025年後半、CATLは鉱業権料として2億4700万元を支払ったと報じられていますが、正式な採掘許可の更新はまだ認められていません。本格的な操業再開には、追加の環境アセスメントや計画承認が必要となる可能性もあります
。CATLは「このプロジェクトを簡単に放棄するつもりはない」と述べ、従前の許可取消しは「プロジェクト計画の調整」によるものであり、撤退ではないとの見方を示しています
。
2026年6月の価格急落は、リチウム市場がいかに中国の供給サイドのシグナルに敏感かを如実に示しました。枧下窩鉱山が世界供給の約3%を占めることから、確認されていない再開の観測だけでも価格を大きく動かす力があります。実際の再開が実現すれば、特にアフリカなど他地域からの新規供給と重なる場合、さらなる価格下落圧力となる可能性があります。
現時点で市場が注視しているのは、正式な採掘許可の更新です。それが実現するまでは、2026年6月の土地使用承認は手続き上の一歩に過ぎず、再開の合図とは言えません。
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