AI利益の共食いリスク:BofAは以前から、AIインフラへの過剰投資とバリュエーションのひずみが成長楽観論を覆い隠すリスクを指摘。2026年半ばまでにSTOXX600が15%下落する可能性を予測していた。
2026年6月15日、米国とイランは3か月に及ぶ軍事衝突の終結に向けた予備的な60日間の枠組み合意に達した。AP通信、ニューヨーク・タイムズ、CNNが入手した14項目の覚書草案に基づく主な内容は以下の通り。
STOXX600は序盤で1.3%まで急騰したものの、結局その上昇分の大半を吐き出し、終値では前日比+0.2%と小幅高ながらも史上最高値での引けとなった。STOXX50は6,260ポイントに達した
。米国ではS&P500が1.9%、ナスダック総合指数が3%上昇し、ダウ平均も朝方の取引で史上最高値を更新した
。北海ブレント原油はホルムズ海峡再開を織り込み、3か月ぶりの安値に下落した
。STOXX600はその後も値を上げ、6月16日には約636ポイントまで上昇した
。
最大の勝ち組は旅行・航空株で、原油急落により燃料費低下とインフレ沈静化への期待が強まった。不動産、公益、ヘルスケアといったディフェンシブセクターもその後数日間でパフォーマンス上位に浮上し、BofAの推奨するローテーションを反映する形となった
。一方、年初来の勝ち組だったエネルギー・鉱業株は原油安による利食い売りに押された
。デンマークの風力発電メーカー、ヴェスタス・ウィンド・システムズは6月19日にJPモルガンのポジティブ・カタリスト入りを受け5.3%上昇したが、週後半には合意内容への精査が強まり、市場の方向感はまちまちとなった
。
楽観ムードの中にも、いくつかの重大な不確実性が残されている。
脆弱な60日間の期限:合意はあくまで予備的な枠組み。60日間の停止期間中に、その後の核協議が決裂する可能性は否定できない。イランのアラグチ外相は、核問題の詳細はこの期間内に確定し、延長の選択肢もあると述べている
。
市場の脆弱性:BofAの警告が示すように、ベアマーケット指標の70%が点滅している状況は、和平合意というポジティブなショックがあっても、バリュエーションの高さ、成長鈍化、AI過剰投資といった構造的な脆弱性が解消されていないことを示唆している。合意発表当日のSTOXX600が+1.3%から+0.2%まで上昇幅を消したこと自体、「噂で買い、事実で売る」という典型的なパターンがすでに作用していた証拠と言える
。
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