南シナ海への再展開(2026年6月初旬):イラン戦争が収束に向かうと、米海軍は「トリポリ」に続いて中東へ向かう予定だった「USSボクサー」(LHD-4)強襲揚陸艦と「USSポートランド」(LPD-27)揚陸艦の進路も変更。これらは6月初旬に第7艦隊に合流し、南シナ海へ向かいました。これにより、太平洋地域では一時的に手薄になっていた空母・強襲揚陸艦による戦力が、再び複数体制へと戻りつつあります
。
専門家は、「トリポリ」グループの再展開を、米国が数ヶ月にわたる「イラン戦争による注意散漫」状態から脱却し、改めて同国が「優先戦域」と位置付ける太平洋へと軍事的焦点をシフトさせる意思表示だと広く解釈しています。この解釈を補強する、いくつかの重要なシグナルも同時に出されています。
「インド太平洋司令部」から「太平洋司令部」への名称変更:国防総省は、米インド太平洋軍(USINDOPACOM)を元の名称である「米太平洋軍(US Pacific Command)」に戻しました。この決定自体が、同地域への注力を象徴的に示していると専門家は指摘します。
2026年国防戦略の継続的な優先順位:2026年版国防戦略は、インド太平洋を「決定的な戦略的舞台」と位置づけています。この方針は、2026年1月以降、空母、強襲揚陸艦、空軍戦力が中東に大規模に振り向けられたことで、実際には大きく歪められていましたが、根本的な優先順位の変更はないことが、今回の再展開で再確認されました。
中国の動きへの対抗:米国がイラン問題に注力していた数ヶ月の間、中国は南シナ海のアンテロープ礁(羚羊礁)などで埋め立てや軍事施設建設を加速させていました。米国は「トリポリ」グループを迅速に太平洋へ戻すことで、戦略的空間を中国に明け渡したわけではないこと、そして南シナ海における信頼性の高い抑止力を再構築する姿勢を明確に示したのです
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「USSトリポリ」の南シナ海再展開は、中東への戦力集中という「イラン戦争による中断」の章を閉じ、国防総省が長年にわたって優先事項と公言してきた中国との競争へと改めて軸足を戻す、より大規模な再配置の先鋒といえます。
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