木柱の周囲にある50の小さな穴(儀礼用ピット)からは、共同体の饗宴に伴う動物の骨や土器が多数見つかっています。また、珍しい円形のフリントナイフは儀式的・象徴的な意味を持っていた可能性があります。これらのことから、この遺跡は単なる太陽の位置を示す標識ではなく、夏至や冬至を中心とした大規模な儀礼的集会の場として使われていたことが示唆されます
。
76歳のフィル・ハーディング氏は、この発見を「この50年の考古学人生の中でも最もエキサイティングな発見のひとつ」と表現しています。木柱は腐って跡形もなく、地面に残された2つの穴だけが唯一の手がかりでした。ハーディング氏自身も、発掘当初はそれが夏至と冬至を示すものであるとは気づかず、後日、遺構の平面図上で2つの穴の間に線を引いて初めてその整列に気づいたといいます
。
ハーディング氏はこう語っています。「たった2つの柱穴だが、それ以上に、5000年前の人々の暮らしについて多くのことを教えてくれる。コミュニティ全体がどのように考え、どのように行動し、どのように天空を崇拝していたのかが、この穴から見えてくるのだ。」
この発見は、ストーンヘンジ地域に住んでいた新石器時代の人々が、はるか昔から太陽を中心とした儀礼生活を営んでいたことを示す最古の証拠です。太陽崇拝という行為は、後により巨大な石の建造物であるストーンヘンジに引き継がれていったと考えられます。また、この木造遺構の存在は、ストーンヘンジ周辺の景観が、いまだ発見されていない先史時代の儀礼活動で非常に重層的に覆われていることを浮き彫りにしています。
なお、この遺跡は現在住宅地となっており、ハーディング氏によると、2本の木柱のうち1本の跡は「おそらく誰かのお宅のリビングルームの下」にあるだろうと冗談めかして語っています。「5000年の時を経て、私たちの日常のすぐ下に、まったく予想もしなかった古代人の営みが眠っている。まさにロマンだ。」と、同氏は興奮を隠しません。
本記事は、発見発表の数日後に迫った夏至を前に、世界中の注目を集めています。ストーンヘンジには毎年夏至の日の出を見ようと数千人が集まりますが、今回の発見は、その伝統が実に5000年前にまで遡ることを示す、感動的な証拠となるでしょう。
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