2026年6月17日、アルセロール・ミッタル、ティッセンクルップ・スチール、フェストアルピーネの欧州鉄鋼大手3社が約40社の産業企業と連名で、EU理事会議長と欧州委員会委員長宛てに書簡を送付。ETSのコスト高騰を止める「決定的介入」を要求した[2][4][5]。 要求する改革は、(1) ETSコストの一時的凍結(CO2価格の上限設定)、(2) 脱炭素技術の実用化ペースに合わせた制度の抜本的見直し(「現実適合チェック」)、(3) エネルギー多消費産業向け無償排出枠の急激な削減中止の3点[6][7][9]。

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2026年6月17日、欧州を代表する鉄鋼メーカーであるアルセロール・ミッタル・ヨーロッパ、ティッセンクルップ・スチール、フェストアルピーネの3社は、化学大手BASFやエボニックなど約40社の産業企業と連名で、EU排出権取引制度(ETS)がもたらすコスト高騰が欧州産業の競争力を脅かしていると警告する共同書簡を発表しました。書簡はEU理事会議長のアントニオ・コスタ氏と欧州委員会委員長のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏に宛てられ、ETSにおける「コスト高騰を止めるための決定的な介入」を要求しています。
ポルトガルはこれと歩調を合わせ、2026年6月12日から17日にかけてブリュッセルに別途書簡を送付しました。マリア・ダ・グラサ・カルヴァーリョ環境・エネルギー相は、産業界への無償排出枠の削減決定を再検討または一時停止するよう欧州委員会に要請。削減により、ポルトガルの主要産業であるセラミックス、ガラス、セメントなどの競争力が損なわれると警告しています。これは鉄鋼大手が求める無償枠の段階的削減の鈍化を求める声と軌を一にするものですが、ポルトガルの書簡は鉄鋼に限らずより広範な産業セクターに焦点を当てています
。
政治的背景: この改定は、2026年6月30日にEU鉄鋼セーフガード措置が失効し、7月1日から新たな輸入保護枠組みが発効する時期と重なります。同時に、欧州委員会は指令2003/87/ECに基づき、2026年7月までにETSの機能に関する報告を行う法的義務を負っています
。産業界の巨人と加盟国(ポルトガル)からの圧力は、無償割り当て削減のペースを遅らせるよう委員会に大きな圧力をかけていますが、欧州委員会はこれまでETSを停止する計画はないと述べています
。
今回の動きは、炭素価格が産業競争力に与える影響の大きさを浮き彫りにしています。日本でも2026年度から本格稼働するGX(グリーントランスフォーメーション)リーグによる排出量取引制度の設計に際し、EUの事例は重要な教訓を提供します。特に、国際競争にさらされる鉄鋼や化学といったエネルギー多消費産業の負担と、脱炭素化投資とのバランスをどう取るかが、今後の日本の制度設計における核心的な論点となるでしょう。
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2026年6月17日、アルセロール・ミッタル、ティッセンクルップ・スチール、フェストアルピーネの欧州鉄鋼大手3社が約40社の産業企業と連名で、EU理事会議長と欧州委員会委員長宛てに書簡を送付。ETSのコスト高騰を止める「決定的介入」を要求した[2][4][5]。
2026年6月17日、アルセロール・ミッタル、ティッセンクルップ・スチール、フェストアルピーネの欧州鉄鋼大手3社が約40社の産業企業と連名で、EU理事会議長と欧州委員会委員長宛てに書簡を送付。ETSのコスト高騰を止める「決定的介入」を要求した[2][4][5]。 要求する改革は、(1) ETSコストの一時的凍結(CO2価格の上限設定)、(2) 脱炭素技術の実用化ペースに合わせた制度の抜本的見直し(「現実適合チェック」)、(3) エネルギー多消費産業向け無償排出枠の急激な削減中止の3点[6][7][9]。
3社は欧州の高炉一貫製鉄の約60%を占める。現行制度下では、2020年代前半までに欧州の鉄鋼生産コストが1トン当たり約100ユーロ上昇し、炭素価格の低い地域からの輸入品に対し競争力を失うと試算[3]。工場閉鎖と大規模な雇用喪失、産業の空洞化(脱工業化)が加速する恐れがあると警告[2][5][7]。
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