ラウンド32以降は、従来通りの一発勝負のトーナメント形式で、ラウンド16→準々決勝→準決勝→決勝と進行する。
1998年フランス大会以来続いてきた32チーム制と比較した、2026年大会の規模は以下の通りだ。
| 指標 | 2022年W杯(32チーム) | 2026年W杯(48チーム) |
|---|---|---|
| 総参加チーム数 | 32 | 48 |
| グループ数 | 8(4チームずつ) | 12(4チームずつ) |
| グループステージ試合数 | 48 | 72 |
| 最初の決勝Tラウンド | ラウンド16 | ラウンド32(新設) |
| 総試合数 | 64 | 104 |
| 大会開催期間 | 29日間 | 39日間 |
| 優勝までの試合数 | 7 | 8 |
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、48チームへの拡大を「サッカーのグローバルな包摂」というミッションとして公に位置づけている。これまでワールドカップ出場の夢を持てなかった国々に門戸を開き、サッカーフィーバーを巻き起こすことが狙いだという 。公式には「ゲームを真にグローバルに」し、かつて「夢にも思わなかった」国々に機会を創出するのが目的とされている
。
しかし、競技面の現実はもっと複雑だ。拡大は同時に、FIFAの選挙で投票権を持つ各大陸連盟への出場枠の追加配分でもある。この力学について、批評家たちは純粋な実力主義ではなく、政治的な動機に基づくものだと指摘する 。
とはいえ、アナリストの圧倒的多数が一致する見解は、今回の拡大は根本的には商業的な決定であるということだ。40試合の増加は、FIFAにとって販売できる「在庫」、すなわち放映権やスポンサーシップ、数百万枚のチケットを大幅に増やすことを意味する。「試合が増えれば収入も増える」という、極めてシンプルな財務ロジックなのだ 。2016年の計画段階におけるFIFAの内部試算によれば、48チーム制による収入は約**65億ドル(約9,800億円)**に達し、2018年ロシア大会(32チーム制)での予測収入55億ドルを10億ドルも上回るという、巨額の増収効果が見込まれていた
。
拡大されたフォーマットには、複数の角度から根強い批判が浴びせられている。
2026年大会は、「より大きいことは、より良いことだ」という賭けに他ならない。FIFAにとって、その金銭的な「うまみ」は否定しようがない。この拡大されたフォーマットが、より魅力的な大会をもたらすのか、それとも単に「より長く、質の低い」大会に終わるのか──その答えは、6月11日の開幕のホイッスルが鳴ったときに初めて明らかになる。