「個々のX線源が劇的に変化することは知られていましたが、これほど多くの超新星残骸が変動しているのを見つけて、本当に驚きました」と、アメリカ・カトリック大学の天文学者であり、アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された論文の共著者であるアンドレア・プレストウィッチ氏は声明で述べている 。
この発見が従来の常識を揺るがす理由は、その変動の多さにある。22個中、実に約11個が変動を見せたのだ。これは、単に“規格外”な変わり種の天体が一つ二つ見つかったという話ではない。広範に見られるこの振る舞いは、恒星残骸の標準的な進化モデルそのものに再考を迫るものだった 。
研究チームは、この不規則なX線の明滅を説明するための、二つの主要なメカニズムを提唱している。これらは同時に発生している可能性もある 。
最も有力な説明は、これらの超新星残骸の多くが「生き残りの星」を伴っているというものだ。大質量星の多くは連星系(二つの星が互いの周りを回る系)で存在する。より質量の大きい方の星が超新星爆発を起こすと、中心にはブラックホールか中性子星が残される。もし、連星だったもう一方の伴星がこの大変動を生き延びた場合、コンパクトな天体(ブラックホールや中性子星)の周りを周回する強力な重力の“監獄”に捕らわれてしまう。すると、ブラックホールや中性子星の強烈な重力が、伴星の表面から物質を剥ぎ取り始める。この「降着」と呼ばれるプロセスで、引き込まれたガスは数百万度にまで加熱され、降着率に応じて強力かつ変動の激しいX線を放射するのだ 。
もう一つのシナリオは、物質の供給源が逆転する。伴星からガスを奪うのではなく、中心のコンパクト天体が「自らの残骸」をリサイクルしている可能性だ。論文の共著者である天文学者ロイ・キルガード氏は、この現象を「爆発の破片が、超新星爆発が生み出したその天体自身へと再び落下していく」プロセスと表現している 。この「フォールバック(逆流)降着」もまた、ブラックホールや中性子星に再捕捉された物質が加熱されることで、観測されているような増光・減光現象を引き起こしうる。
なお、サンプルに含まれる少なくとも一つの残骸「SN 1957D」には、よりシンプルな説明が存在する。約70年前に初めて観測されたこの天体のX線増光は、高速で放出された噴出物が周囲の星間物質に衝突し、運動エネルギーを熱に変換しているためと考えられている 。
この長期にわたる残骸の変動現象は、M83だけの特別なものではないかもしれない。渦巻銀河M51の初期の追跡観測でも、同様に変動する残骸の集団が明らかになっており、この振る舞いは星形成が活発な銀河に共通する、これまで見落とされてきた特徴である可能性を示唆している 。
これとは別の研究では、別の天文学者チームが、チャンドラと欧州宇宙機関(ESA)のXMMニュートン衛星を、私たちの銀河系の激動する中心部へと向けた。彼らの標的は、地球からわずか2万6000光年の距離にある、高密度の星形成領域「いて座C(Sgr C)」だ。宇宙的に言えば、超大質量ブラックホール「いて座A*」のまさにご近所にあたる 。
研究チームは、いて座Cの内部で、若く大質量な星を取り囲む巨大な電離水素の泡の中に、くっきりとしたX線の「しみ(ブロブ)」を特定した 。もしこれが超新星残骸であると確認されれば、天の川銀河の中心ブラックホールにこれほど近い場所で見つかった、初めての天体の一つとなる 。観測データによると、放出された恒星物質は時速約320万キロメートル(秒速約900キロメートル)という猛烈な速度で拡大しており、最初の爆発が起きたのはわずか約1700年前と推定されている 。
この発見は、チャンドラとXMMニュートンによる高解像度のX線観測に加え、南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡群による電波データ、そしてPan-STARRSサーベイからの可視光データを組み合わせることで初めて可能になった 。この発見は、銀河系で最も過酷な環境における星のライフサイクルを研究する、またとない機会を提供している。
「個々のX線源が劇的に変化することは知られていましたが、これほど多くの超新星残骸が変動しているのを見つけて、本当に驚きました」と、アメリカ・カトリック大学の天文学者であり、アストロフィジカル・ジャーナルに掲載された論文の共著者であるアンドレア・プレストウィッチ氏は声明で述べている 。
この発見が従来の常識を揺るがす理由は、その変動の多さにある。22個中、実に約11個が変動を見せたのだ。これは、単に“規格外”な変わり種の天体が一つ二つ見つかったという話ではない。広範に見られるこの振る舞いは、恒星残骸の標準的な進化モデルそのものに再考を迫るものだった 。
研究チームは、この不規則なX線の明滅を説明するための、二つの主要なメカニズムを提唱している。これらは同時に発生している可能性もある 。
最も有力な説明は、これらの超新星残骸の多くが「生き残りの星」を伴っているというものだ。大質量星の多くは連星系(二つの星が互いの周りを回る系)で存在する。より質量の大きい方の星が超新星爆発を起こすと、中心にはブラックホールか中性子星が残される。もし、連星だったもう一方の伴星がこの大変動を生き延びた場合、コンパクトな天体(ブラックホールや中性子星)の周りを周回する強力な重力の“監獄”に捕らわれてしまう。すると、ブラックホールや中性子星の強烈な重力が、伴星の表面から物質を剥ぎ取り始める。この「降着」と呼ばれるプロセスで、引き込まれたガスは数百万度にまで加熱され、降着率に応じて強力かつ変動の激しいX線を放射するのだ 。
もう一つのシナリオは、物質の供給源が逆転する。伴星からガスを奪うのではなく、中心のコンパクト天体が「自らの残骸」をリサイクルしている可能性だ。論文の共著者である天文学者ロイ・キルガード氏は、この現象を「爆発の破片が、超新星爆発が生み出したその天体自身へと再び落下していく」プロセスと表現している 。この「フォールバック(逆流)降着」もまた、ブラックホールや中性子星に再捕捉された物質が加熱されることで、観測されているような増光・減光現象を引き起こしうる。
なお、サンプルに含まれる少なくとも一つの残骸「SN 1957D」には、よりシンプルな説明が存在する。約70年前に初めて観測されたこの天体のX線増光は、高速で放出された噴出物が周囲の星間物質に衝突し、運動エネルギーを熱に変換しているためと考えられている 。
この長期にわたる残骸の変動現象は、M83だけの特別なものではないかもしれない。渦巻銀河M51の初期の追跡観測でも、同様に変動する残骸の集団が明らかになっており、この振る舞いは星形成が活発な銀河に共通する、これまで見落とされてきた特徴である可能性を示唆している 。
これとは別の研究では、別の天文学者チームが、チャンドラと欧州宇宙機関(ESA)のXMMニュートン衛星を、私たちの銀河系の激動する中心部へと向けた。彼らの標的は、地球からわずか2万6000光年の距離にある、高密度の星形成領域「いて座C(Sgr C)」だ。宇宙的に言えば、超大質量ブラックホール「いて座A*」のまさにご近所にあたる 。
研究チームは、いて座Cの内部で、若く大質量な星を取り囲む巨大な電離水素の泡の中に、くっきりとしたX線の「しみ(ブロブ)」を特定した 。もしこれが超新星残骸であると確認されれば、天の川銀河の中心ブラックホールにこれほど近い場所で見つかった、初めての天体の一つとなる 。観測データによると、放出された恒星物質は時速約320万キロメートル(秒速約900キロメートル)という猛烈な速度で拡大しており、最初の爆発が起きたのはわずか約1700年前と推定されている 。
この発見は、チャンドラとXMMニュートンによる高解像度のX線観測に加え、南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡群による電波データ、そしてPan-STARRSサーベイからの可視光データを組み合わせることで初めて可能になった 。この発見は、銀河系で最も過酷な環境における星のライフサイクルを研究する、またとない機会を提供している。