従来、P-MAXキャンペーンはコンバージョンの発生源が見えづらいという課題がありましたが、一定の許容範囲内でROASの縛りを緩めることで、予測困難なトラフィックソースからの需要を取りこぼしにくくなることが期待されます 。
フラッシュセールや季節プロモーション、新商品発売など、一時的に需要が急増するタイミングに向けて設計されたのが新機能「プロモーションモード」(ベータ版)です。開始日と終了日を指定することで、その期間中に限り、GoogleがROAS許容度を一時的に調整し、既存の日予算に上乗せする形で追加の予算を配分することが可能になります 。
標準の日予算だけでなく、「キャンペーン合計予算」にも対応しているため、固定予算で運用している場合でも、ここ一番のタイミングでパフォーマンスを底上げできます 。現在、このモードは検索キャンペーンとP-MAXキャンペーン向けのベータ版として提供されています
。
これまでは担当者が手動で目標値を変更し、イベント後に元に戻す必要がありました。プロモーションモードではこの一連の工程がスケジュール設定に組み込まれるため、戻し忘れによる予算超過や機会損失のリスクが大幅に軽減されます。
最も影響が大きい技術的変更が、2026年8月17日に実施されます。この日以降、予算によって配信が制限されているキャンペーンに対する入札エンジンの動作が変更され、目標コンバージョン単価(CPA)、目標広告費用対効果(ROAS)、目標クリック単価(CPC)を使用しているキャンペーンにおいて、日予算が不足している状況でも、設定した目標により近いパフォーマンスを安定的に発揮できるように最適化されます 。
つまり、予算不足のために目標値を大きく下回ったり上回ったりしていたキャンペーンが、その差を縮める方向に自動調整される可能性があります。そのため、この新しい最適化によって意図せず配信ボリュームが減少したり、予算を早期に使い切ってしまったりしないように、広告主は事前に目標値を見直すことが重要です。
この見直しを支援するために、2026年7月6日より**「入札目標調整ツール」**がGoogle広告の管理画面内で提供されます。過去のキャンペーンパフォーマンスと目標値の推奨更新案が表示されるほか、アカウント内に通知も表示される予定です 。
これらのアップデートは独立した機能ではなく、相互に関係します。例えば、スマート自動入札エクスプロレーションでリーチを広げているショッピングキャンペーンが、季節の需要期にプロモーションモードを活用し、さらに8月17日の配信ペース変更の影響を受ける、というシナリオが考えられます。
今回の発表は、GoogleがAI主導の予算管理へとさらに舵を切っていることを明確に示しています。厳格な手動コントロールから、許容範囲の設定、スケジュールによる上書き指定、エンジンレベルでの配信ロジックへと移行しつつあるのです。2026年第1四半期のデータですでに、目標ROASのスマート自動入札が手動CPCより全業界平均で38%高いパフォーマンスを示していることを踏まえれば 、今回のアップデートによってその差はさらに広がる可能性が高いと言えるでしょう。