1. 条件付きの制裁解除
4カ国は声明の中で、イランが核開発計画に関して「明確かつ検証可能な措置」を取ることを条件として、「関連する制裁を解除する用意がある」と表明しました。これは、イランに協力への具体的なインセンティブを与えつつ、あくまで行動を条件とする姿勢を打ち出したものです 。
2. 無条件のホルムズ海峡航行の自由を要求
もう一つの重要な点は、世界の石油輸送の約2割が通過すると言われるホルムズ海峡について、「無条件かつ制限のない航行の自由」を伴う「緊急の再開」が不可欠であると強調したことです 。これは、合意の履行状況にかかわらず、海峡の安全な通行を絶対条件とする欧州側の強い意思を示しています。
こうしたE4の姿勢は、2026年3月の声明でイランによる海峡での船舶攻撃や機雷封鎖を非難し、即時停止を求めていた流れを踏襲するものです 。
最終的な合意文書の全文は公表されていませんが、米国政府高官やイランのメヘル通信などの報道から、その骨子が見えてきています 。合意は大きく2つの段階に分かれています。
この2段階方式により、まずは武力衝突を停止させて人道・経済状況を改善し、その後、より複雑な核問題について時間をかけて協議する枠組みとなっています。
この歴史的合意の影の立役者となったのが、中東の小国オマーンです。2025年から2026年にかけて行われた一連の交渉において、オマーンは一貫して主要な仲介役を務めました 。
オマーンのバドル・アルブサイディ外相は、ジュネーブやローマで行われた複数回の間接協議で、米国とイランの代表団の間を文字通り行き来し、対話を促進。2026年2月末には、交渉の「突破口」が開かれたと公式に発表し、最終合意に至るまで主導的な仲介者であり続けました 。
オマーンがこの役割に最適だったのには理由があります。同国は、ワシントンとテヘランの両方と歴史的に強固な外交関係を維持してきたからです。スンニ派が多数派の湾岸アラブ諸国でありながら、シーア派のイランやイエメンのフーシ派とも独自の信頼関係を築いてきたことが、仲介国としての高い能力の源泉となっています 。