ラスヴェート計画は2026年3月23日、実験段階から実運用へと大きな一歩を踏み出した。この日、ソユーズ2.1bロケットが北極圏に近いプレセツク宇宙基地から、最初の量産型「ラスヴェート3」16基を打ち上げたのだ 。それ以前には、2023年と2024年に実験機「ラスヴェート1」「ラスヴェート2」の計6基が試験投入されていた
。
しかし、スタートダッシュは早速つまずいた。2026年6月9日頃、ビューロー1440は打ち上げたばかりの16基の生産衛星のうち、1基が失われたことをロシアの経済紙コメルサントなどの報道で認めたのである 。
2026年6月中旬時点での稼働状況は、以下の通りだ。
ロシアの通信衛星群は、未だ揺籃期にある。戦場でリアルタイムのドローン制御に不可欠な、途切れのない安定した通信を提供するには、まったくもって数が足りないのだ。
ロシア軍にとって衛星制御が実現すれば、ドローン戦略はパラダイムシフトを遂げる。現在ロシア軍が主に頼るのは、見通し内の無線リンクか光ファイバー有線式ドローンであり、その運用範囲は限定され、操作要員は敵の反撃に晒される危険がある。
ロシアはすでに大規模なドローン飽和攻撃を仕掛けており、ウクライナ空軍によれば、6月5日から6日の夜間だけで、シャヘド型、ゲルベラ型、イタルマス型などの自爆ドローン272機が発射された 。衛星制御は、こうした波状攻撃の射程と持続性を高め、特に高速のジェット推進型攻撃ドローン「S-70オホートニク(ハンター)」や一部のジェット推進型ゲルベラにとっては、不可欠な存在になるだろう。見通し外での高速長距離飛行には、どうしても衛星制御が必要だからだ
。
眼前の冷徹な現実: しかし、軌道上の生産衛星がわずか15基しかない現状では、ロシアは連続的なカバレッジなど夢のまた夢だ。ラスヴェートがリアルタイムのドローン制御に使えるようになるには、早くとも2027年まではかかるだろう。それまでは、ウクライナがスターリンクへのアクセスによって戦術上の顕著な優位性を維持する。
同じ6月12日の会合でプーチン氏は、ウクライナによるロシア奥地への長距離攻撃作戦が目に見える損害を出していることを、異例の率直さで認めた。彼はウクライナのドローンによる石油精製所、燃料貯蔵庫、その他経済目標への攻撃が、「ロシア経済と社会を直撃している」と述べたのだ 。その上で、ウクライナが「心理的圧力と経済的打撃によってロシア社会を分断しようとしている」と非難した
。
この経済的緊張は実体を伴っている。年明け以降、ロシアの主要製油所38施設のうち約21施設がウクライナの攻撃を受け、各地で燃料不足やガソリンスタンドの長蛇の列といった現象を引き起こしている 。より広範な指標を見ても、2026年第1四半期のロシアの固定資本投資は前年同期比14.3%減、経済利益も同期にさらに26%減少しており、圧力は深まっている
。
プーチン氏の今回の発表は、戦争の行方を如実に示すものだ。両軍とも長距離打撃能力の高度化という競争を加速させており、その生命線として衛星ネットワークが位置づけられている。ただ今のところ、ロシアはこの競争で大きく引き離されている。
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