米国国立気象局(NWS)は、「赤道太平洋全体で非常に暖かい海水が蓄積され続けており、年末から来年にかけてエルニーニョが継続することはほぼ確実だ」と発表しています 。このような数年続いたラニーニャからスーパーエルニーニョへの1年以内の急速な転換は極めて異例で、大気海洋結合システムがいかに不安定化しているかを示しています。
世界の主要気象機関は、ほぼ一致してエルニーニョ現象の発生と持続を高い確率で予測しています。
ニーニョ3.4海域の週平均海面水温偏差は+0.9℃に達していますが、月平均値ではまだ閾値付近に留まっています 。しかし、気象予報士たちは、この現象が観測史上最も強い部類に入る可能性を指摘しています
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一部の気候モデルでは、2026年後半までにニーニョ3.4海域の海面水温が平年を+2.0℃以上上回り、東部太平洋の一部海域では局所的に+3.0℃に達するか、それを超える可能性があると予測しています 。これは、1997~1998年の過去最強クラスに匹敵するか、それを上回る規模です。
「スーパーエルニーニョ」とは、一般的にニーニョ3.4海域の3ヶ月移動平均海面水温偏差が+2.0℃以上に達した場合を指します。ただしNOAAは、最終的な強度は今後数ヶ月の風のパターンや大気海洋間の相互作用に左右されるため、依然として予測の幅が大きいと注意を促しています 。
フィリピン気象局(PAGASA)は、エルニーニョにより降雨量が減少し、同国全域で干ばつのリスクが高まると警告しています 。世界飢餓救助(Welthungerhilfe)の6月10日のブリーフィングでも、エルニーニョが農業や食料安全保障に深刻な影響を及ぼす可能性が指摘されています
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エルニーニョの発生により、台風の発生海域が東にシフトし、太平洋中部や西部で強い台風の発生頻度が増える傾向があります。これは日本を含む東アジアへの台風の進路や強度にも影響を及ぼす可能性があります 。例えば、エルニーニョ年は台風が日本のはるか南東海上で北東に進路を変えやすく、本土への接近数が平年より少なくなる一方、接近する場合は勢力が強いままとなるケースが増えます。
世界資源研究所(WRI、6月3日)は、スーパーエルニーニョが干ばつ、洪水、サイクロン、猛暑のリスクを世界的に高めると指摘しています 。英国気象局も「現在の温暖化した気候で強いエルニーニョが発生すると、その影響は増幅される」と警告しています
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2026年のエルニーニョ現象について最も確実なのは、今年後半から来年初頭にかけてエルニーニョ状態が継続する確率が極めて高い(96~98%)という点です。一方で、そのピーク時の強さがどの程度になるかは、依然として不透明です。NOAAは「どの強度カテゴリーの確率も37%を超えない」と指摘し、断定を避けています 。
複数年続いたラニーニャ現象から、わずか1年のうちにスーパーエルニーニョへと転換する展開は異例の速さであり、大気のわずかな変動が最終的な結果を左右する可能性があります。それでも、世界中の気候モデルが一斉に強いエルニーニョへの発達を示唆していることは、警戒に値するシグナルと言えるでしょう。今後の数ヶ月間、赤道太平洋の海面水温の推移と大気の応答(貿易風の変化や対流活動の活発化)を注視する必要があります。
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