事件から数日後の6月9日〜10日にかけて、イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は驚くべき主張を展開しました。
その主張の骨子は以下の通りです。
この主張は、イランの国営メディア(PressTVやTasnim通信など)で大々的に報じられました。
さらに、事件直後の6月3日、イラン革命防衛隊(IRGC)は空港攻撃への関与そのものを否定し、別の説明を提示しました。
IRGCのホセイン・モヘッビ報道官は、空港ターミナルの損傷は、米国製の地対空ミサイル「パトリオット」の誤作動 が原因で発生したと主張しました 。イランの主張によれば、パトリオットが飛来する物体の迎撃に失敗し、その「迎撃弾」がターミナルに落下したというのです。
これらの主張に対し、米中央軍(CENTCOM)は非常に明確な言葉で全面否定しました。
CENTCOMはSNS上で、イランによる「パトリオット誤射」説や「偽旗作戦」説を「完全な虚偽(False)」と断じ、今回の攻撃は「イランの無人機による、計算され尽くした不当な民間施設への意図的攻撃」であると断言しました 。
また、クウェート自身が公開したドローン突入時の防犯カメラ映像や墜落した残骸の分析結果も、攻撃に使用されたのがイラン製ドローンであることを示しています 。クウェート政府も「イランの犯罪的侵略」という当初の見解を変えていません。
これら一連の流れは、単なる偶発的な事故ではなく、2026年2月から続くイラン戦争の文脈における、確固たる敵対行動として位置づけられています。
イランの「偽旗作戦」説に信憑性を与えかねないタイミングで、ある大型商談が動いていました。
この案件の主な内容は以下の通りです。
米国務省の公式声明では、この装備品が「クウェートを非NATO主要同盟国として支援し、米国の国家安全保障目的の達成に寄与する」と説明されています 。しかし、空港攻撃と承認のタイムラグがあまりにも短かったため、イラン側の「需要をでっち上げた」という非難に一定の説得力を持たせる要因になりました。
これらの出来事を理解するには、2026年2月28日まで時計の針を戻す必要があります。
この日、米国とイスラエルは「オペレーション・エピック・フューリー」と名付けられたイランへの奇襲空爆を開始しました 。この攻撃により、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師をはじめ、複数の政府高官が殺害されました
。
イランはこれに激しく報復し、イスラエルやペルシャ湾岸の米軍基地、米軍関連施設への大規模なミサイル・ドローン攻撃を開始。これが「2026年イラン戦争」の勃発です 。クウェート空港攻撃も、この一連の報復攻撃の一つであるというのが米・クウェート側の主張です。
戦争の長期化に伴い、米国内では大きな政治的対立が生まれました。
このような軍事的・政治的混乱の中で発生したのがクウェート空港攻撃であり、両陣営の情報戦も激しさを増しています。
現在のところ、クウェート自身が公開した映像や米中央軍の発表など、物理的な証拠は「イランのドローンによる攻撃」という見方を強く支持しています。イランの「偽旗作戦」および「パトリオット誤射」説は、現時点では国営メディアを通じた情報戦の一環として展開されており、CENTCOMによって明確に否定されています 。
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