このEVシフトは新車だけに留まりません。英国、ドイツ、フランス、スペインのオンライン中古車プラットフォームでは、ガソリン車からの乗り換えを検討するユーザーが急増し、中古EVの需要が一気に高まっています 。ロイターの集計データによれば、2026年3月には世界37カ国でEV販売が過去最高を更新しました
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この急激な需要変化を最も如実に表しているのが、フランスの自動車大手ルノーの現場です。
「受注残が50%増」の衝撃
ルノーグループCEOのフランソワ・プロヴォ氏は、ロイターのインタビューで衝撃の数字を明かしました。イラン紛争が始まって以降、フランスとドイツにおけるEVの受注残が50%も急増したというのです 。プロヴォ氏は「高い燃料価格がEVへの関心に火をつけた」と述べ、現在の需要は自社の生産能力を上回っていると強調しています
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「生産シフトの追加」という現実解
バッテリーの調達そのものには問題がないとしつつも、プロヴォ氏は需要に追いつくため、EV生産拠点での生産シフト追加を真剣に検討していることを明かしました 。その中心となるのが、ルノーのEV生産集積地「ルノー・エレクトリシティ」の一角を担うフランス北部のドゥエー工場です。ここでは1日あたり900台のEVがラインオフし、新型「ルノー5 E-Tech」だけでも15カ月で10万台を生産するハイペースが続いています
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フランスを制した「ルノー5 E-Tech」
このルノー5 E-Techは、フランスで2025年のBEV販売台数トップ(3万7,997台)となり、テスラ・モデルY(1万9,207台)を大きく引き離して年間王者に輝きました 。2025年後半の6カ月のうち5カ月で月間販売1位を獲得するなど、名実ともにフランスの「EVチャンピオン」となっています
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紛争後の需要は? ルノーの見方
プロヴォCEOは、イラン紛争が終結して燃料価格が落ち着けば、現在のEV特需には一服感が出る可能性を認めています。しかしその上で、EVへの構造的な移行という大きな流れは変わらないとの見方を示しています 。
カギは「より安いLFP電池」
普及を持続させるための現実解として、プロヴォ氏が推進するのが、より低コストなLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーです。ドゥエーの隣接地には、中国・エンビジョンAESCのギガファクトリー(現在の生産能力は9GWh、拡張計画あり)があり、すでにルノー5 E-Tech用のLFPセルを供給しています。プロヴォCEOはこの提携をさらに拡大し、EVの価格を下げ、大衆市場での普及を加速させたい考えです 。
「中国メーカーにはEUの部品を使わせよ」
プロヴォ氏は対外戦略にも踏み込んでいます。欧州に進出する中国の自動車メーカーに対し、単なる組み立て拠点としてではなく、EU域内でより多くの部品を調達するよう促す規制をEUに求めました 。背景には、EUが現在策定中の「産業加速法(Industrial Accelerator Act)」があります。この法案では、EUの補助金対象となるEVに対し、バッテリーを除く部品の70%をEU域内で生産することを義務付ける案が検討されています
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