問題は、物理法則を時間の原点(t=0)まで逆算しようとするときに生じます。ここで「定説ではない」点は以下の通りです。
議論をする際には、以下のような表現を使うと、科学的な立場としてより正確です。
コンセンサスを言い表すなら:
「我々の観測可能な宇宙は、約138億年前の超高温・超高密度の状態から膨張を始め、現在も進化を続けている。これが共通認識である。しかし、その時空そのものが無から絶対的に『出現』したと断言することは、科学の検証範囲を超えている 。」
科学は現時点で、「宇宙の始まり」を観測していません。観測しているのは、始まりの「直後」に起きた急速な膨張の痕跡です。
もし誰かが「物理学は空間と時間がビッグバンで生まれたことを証明している」と主張するなら、それは科学的証拠を超えた飛躍です 。一方、「ある宇宙論モデルによれば、ビッグバンは我々の時空の起源と定義される」という言い方ならば、より妥当な線でしょう 。そこから「創造主」の存在を演繹するのは、物理学の成果ではなく、形而上学的推論の領域にあることをご理解ください。