この成長を牽引しているのは、ほぼ完全にAIだ。AI特化型データセンターの電力需要は、2030年には2023年と比較して11倍になると見込まれている。その時点で、AIのワークロードだけで今日の全従来型データセンターと同量の電力を必要とし、AIはデータインフラセクター全体におけるエネルギー需要の主たる推進力となる 。
このエネルギー消費の急増は、重い二酸化炭素排出の代償を伴う。報告書は、2030年までにAIデータセンターが、年間で2,400万トンから4,400万トンの二酸化炭素(CO₂)を新たに排出すると予測している 。この数字を分かりやすく言えば、推定値の上限は、米国の道路に1,000万台の車を新たに追加するのと同等の排出量に相当する
。報告書の別の表現では、データセンター全体の排出量はイギリス一国の年間総排出量に匹敵し、CO₂換算で4億トンに達する可能性があるとしている
。
世間の議論の多くは電力と二酸化炭素排出に集中しているが、報告書は「水」が危機的に見落とされている資源であると強調する。複雑なAIモデルを稼働させるサーバーを冷却するために必要な水の量は、膨大だ。
米国だけを見ても、AIサーバーの配備によって、2030年までに年間で7億3,100万立方メートルから11億2,500万立方メートルの水が消費されると予測されている。これは、600万から1,000万人のアメリカ人の年間家庭用水使用量にほぼ等しい 。世界規模で見ると、この水のフットプリントは桁違いになる。報告書によると、2030年におけるAIの総水消費量は、サハラ以南のアフリカに住む13億人の、基本的な年間生活用水需要に匹敵するという
。
AIブームの環境コストは、稼働のための資源だけでは終わらない。報告書は、そのフットプリントのさらに二つの重要な側面を強調している。
UNU-INWEHの報告書は、単なる問題点の羅列ではない。これは政策への行動喚起である。AIの真のコストはライフサイクル全体に及んでおり、そのコストが不公平に分配されていると警告する。つまり、開発途上国が環境負荷を不均衡に負わされている一方で、経済的利益はより少ない場合が多いのだ 。
報告書の中心的な要求は、義務的で標準化された環境報告である。
Comments
0 comments