宣言は特に東方正面におけるNATOの抑止・防衛態勢の**「飛躍的(quantum leap)」な強化**を求めています。ワシントン条約第5条に基づく集団防衛への断固たるコミットメントと、前方防衛の継続的強化の必要性を強調。リトアニアのギタナス・ナウセーダ大統領は、新たなNATO統合防空ミサイル防衛計画を次回アンカラ首脳会議の主要成果とすべきだと述べました。
**「強力で、主権があり、独立したウクライナは欧州大西洋の安定に不可欠である」**と宣言は強調し、ペレストレーロ議長はウクライナへの継続的な支援を4つの明確な優先課題の一つに挙げました。この支援は短期的な軍事援助にとどまらず、長期的な安定を視野に入れたものです。これに関連し、NATO議員会議は本年2月のロシア侵攻4周年声明でも、同盟国に対し「優先ウクライナ要求リスト(PURL)」への完全な支援を求めています。
イタリア代表団はこの会合に積極的に関与し、同国代議院は宣言の全文と関連準備文書を公開しています。この動きは、イタリアが欧州の安全保障議論で主導的な役割を再び強く意識していることの表れです。実際、会合に先立つ5月22日、アントニオ・タヤーニ外相はスウェーデンでのNATO外相会合において、イタリアは国防支出をNATO目標であるGDP比5%に引き上げる用意があると表明。ただしその実現には、エネルギー関連のEU予算規則における柔軟性が必要だと付け加えました。タヤーニ外相は「我々は国防費を増やす用意があり、GDP比5%の基準に到達したい」と明言しています。
今回のヴィリニュス会合は、次回のアンカラNATO首脳会議に向けた議会側からの重要なインプットと位置づけられています。宣言は全同盟国に対して、2035年より大幅に前倒しした実施計画でGDP比5%という国防投資公約を「緊急性をもって」さらに具体化するよう要請しています。これは、2025年のハーグ首脳宣言で合意された5%目標の単なる確認ではなく、目標達成を加速させる強い政治的メッセージです。
宣言は、**サイバー攻撃、妨害工作、経済的威圧、その他のハイブリッド戦術が「日々、同盟国の社会を標的にしている」と指摘。これに対し、バルト海の重要インフラを保護しロシアの「影の船団」に対抗するため発足した「バルティック・セントリー(Baltic Sentry)」や「NATOタスクフォースX」**といった同盟の強化された対応を歓迎しています。NATOラドミラ・シェケリンスカ副事務総長も、ロシア軍がウクライナで停滞する中、ハイブリッド戦争が激化していると警告し、強力な抑止と防衛には継続的な革新が必要だと演説しました。
宣言は、国防費の**GDP比2%目標は「任意ではなく義務である」**と強調し、2%をはるかに超える野心的な新目標を求めています。NATOの全同盟国は、信頼できる国家計画を通じて2035年までの5%達成に全力を尽くすべきだとされています。2025年のハーグ首脳宣言では、この5%のうち少なくとも3.5%を中核的な防衛要件に、最大1.5%を防衛・安全保障関連支出に充てることが合意されています。
会合の文脈では、**「NATO・EU協力に関する共同宣言」**が、軍事的強靭性と民生の強靭性を調和させる枠組みとして参照されています。宣言は欧州の防衛努力を補完的なものとして歓迎する一方で、「欧州の防衛はNATOを強化するものであり、重複させるものではない」と明確に指摘。欧州における米軍のプレゼンスが引き続き極めて重要であることも強調されました。