この攻撃は、米国が作戦成功を宣言し、イランが関与を否定する中で、停戦の実態を映し出す鏡となった。公式には大規模戦闘は終結したとされながらも、地域はいつ本格的な戦争へと逆戻りしてもおかしくない、危険な「不安定な均衡状態」に置かれている。
韓国の海運最大手HMMが運航するパナマ船籍のばら積み船「HMM Namu」は、停泊中に2つの飛行物体による攻撃を受けた。最初の弾頭は不発に終わったが、この偶然が調査団に兵器の特定を可能にさせた。2発目の弾頭は爆発し、船体後部の下部に火災と損傷をもたらした。
朴允珠(パク・ユンジュ)第1次官は記者会見で、破片の部品や弾頭の特徴から、イラン海軍やイスラム革命防衛隊(IRGC)、その代理勢力が使用する「ヌール」または「ガデル」級ミサイルであると断定したと述べ、「様々な証拠がイランを示している」と語った。ただし、韓国政府は誰が発射したのかという点については、確定的な判断を下すには至っていない。
テヘランの反応は迅速かつ断固としたものだった。駐韓イラン大使のサイード・クーゼチ氏は、自国がこの事件に「一切関与していない」と否定。これに対し、韓国政府は公式に大使を呼び出し抗議するという異例の措置を取り、ただでさえ不安定な停戦合意にさらなる政治的緊張を加えた。
この事件は、たとえ名目上の停戦下であっても、非国家主体や軍の統制外の部隊が商業船舶を脅かしうるという現実を証明しており、航行の自由を保証するという停戦の根幹を揺るがすものだ。
この地域を全面戦争の瀬戸際から引き戻した外交の枠組みは、驚くほど脆いものだ。4月7日から8日にかけて、米国とイランはパキスタンの仲介により、ホルムズ海峡の条件付き再開を核とする2週間の停戦に合意した。イランは当初、パキスタンが提案した45日間の枠組みを拒否し、独自の10項目からなる和平案を主張したが、最終的には短期間の停戦を受け入れた。
本来であれば包括的な和平交渉への一時的な橋渡しとなるはずだった停戦は、イスラマバードでの交渉が暗礁に乗り上げる中で、恒久的な「中間状態」へと変貌した。トランプ大統領は4月21日に停戦を無期限で延長したが、5月下旬の時点でも恒久的な合意には至らず、停戦は依然として「極めて脆弱」な状態にある。
米国政府の公式見解は明確だ。ルビオ国務長官は5月5日、「Operation Epic Furyは終結した。我々は作戦目的を達成した」と宣言した。ホワイトハウスの描くストーリーは、イランの海軍力とミサイル戦力を粉砕し、交渉のテーブルにつかせ、海峡を再開させたという成功物語だ。作戦開始からわずか1カ月の間に、1万2300以上の標的を攻撃し、155隻以上のイラン船舶を損傷または破壊、1万3000回以上の戦闘出撃を実施した。
しかし、独立系の分析ははるかに複雑な実態を描き出す。主な論点は以下の通りだ。
トランプ大統領の公式発言にも精査の目が向けられている。ウィキペディアなど複数の情報源は、彼が繰り返し「勝利宣言」をする一方で、「イランには軍事的に何も残っていない」と虚偽の主張をしたと指摘。これはイランが現在も報復能力を保持しているという事実によって、明白に否定されている。
軍事的な膠着状態の水面下では、外交ルートを通じて、深く根深い溝が露呈している。今後の衝突があれば、これらの火種はすぐさま再燃するだろう。
ルビオ長官が5月5日に作戦終結を正式に宣言したにもかかわらず、戦争再開のための基盤は活発に維持され、場合によっては拡大さえしている。
5月1日、ホワイトハウスはイランに対する軍事作戦は終了したとみなすと議会に正式に通知した。これは、議会の新たな承認なしに攻撃的行動を制限する60日間の時限を発動させる措置だ。ところが、そのわずか2週間後の5月16日、『ニューヨーク・タイムズ』紙が、外交交渉が完全に行き詰まった場合に備え、トランプ氏の顧問団がすでに軍事攻撃を再開する計画を策定済みだと報じた。
国防総省当局者は、新たな名称でのエスカレーションとして「Operation Epic Fury 2.0」を内部で議論しているとされる。ヘグセス国防長官は議会の質問に対し、「必要な場合に備えたエスカレーション計画は存在する」と認めた。中東の2人の当局者は、米国とイスラエルが停戦以来、最も集中的な準備を来週にもありうる攻撃再開に向けて進めていると証言した。
さらに、平和維持活動が戦闘に取って代わったわけではないことを示す具体的な兆候として、米中央軍(CENTCOM)は5月26日、イランのミサイル発射施設と、バンダレ・アッバース周辺で機雷を敷設しようとした船舶に対し、「自衛攻撃」を実施したと発表した。米軍保護を目的としたこれらの攻撃は、イランの交渉団が協議のためにドーハに到着している最中に行われたものであり、戦術的な出来事がいかに簡単に停戦体制全体を崩壊させるかを如実に示している。
ホルムズ海峡は、平和でも戦争でもない状態にある。本格的な危機を引き起こす要素はすべて揃っている。形式的には効力を保っているが実質を伴わない停戦合意、評価が大きく二分される軍事作戦、未解決の核開発をめぐる対立、そしてテヘランに直接結びつく新たな商船への攻撃だ。
「HMM Namu」事案は、単なる地政学ブリーフィングの一項目ではない。停戦が「試験」され、失敗した現実の事例だ。恒久的な合意への道筋が見えない中で、米国による攻撃再開計画がすでに机上にある以上、確かなことはただ一つ。国家主体か代理勢力かを問わず、これ以上の挑発行為があれば、この危うい静寂は速やかに、そして暴力的な終焉を迎えるだろう。