保健省は声明のなかで、国内におけるエボラ感染のリスクは「極めて低いまま」であると強調し、国民に過度な心配は不要との見解を示しました 。結果的に、今回の事例でイタリア国内でのエボラ感染は確認されませんでした。
現在、コンゴ民主共和国(DRC)東部とウガンダにまたがる形で、エボラ出血熱の流行が拡大しています。
コンゴ民主共和国(DRC):
ウガンダ:
※補足:ウガンダでは2025年1月30日にも別の「スーダン型ウイルス」によるエボラ流行が宣言されましたが、同年4月26日に終息が確認されています(計14例) 。今回の数字は、現在進行中の国境を越えた流行を示したものです。
これは2007年にウガンダのブンディブギョ県で初めて確認された希少なエボラ株で、より頻繁に流行を起こす「ザイール型」とは異なります 。米国疾病予防管理センター(CDC)は2026年5月19日、この流行がコンゴ民主共和国とウガンダの両国に影響を及ぼす越境型のアウトブレイクであるとして、医療関係者向けの健康警告(HAN)を発出しました
。
感染拡大を深刻化させている最大の要因は、予防・治療手段の乏しさです。
イタリア保健省は、今回の帰国者に関する事例を受ける前の5月19日時点で、すでに関係国から帰国する政府・非政府組織の人員を対象とした健康監視体制の強化を導入していました 。これは、「流行の規模や地理的広がりに関する不確実性」を踏まえた「最大限の慎重さ」に基づく措置と説明されています
。
流行の中心地では、国際NGO「国際救援委員会(IRC)」などが緊急対応を開始し、感染防止策の徹底と地域コミュニティへの啓発活動を急いでいます 。ブンディブギョ型に有効なワクチンや治療法の研究開発が急がれるとともに、渡航者を中心とした水際対策と、現地でのまん延防止の両輪が引き続き重要な局面となっています。