APEC関連の議論の中で米国が打ち出した目玉の一つが、2,000万ドル(約30億円前後)の基金だ。
米国側は抽象的なAIの可能性ではなく、具体的なユースケースを強調している。APECの議論で紹介された例には次のような分野がある。
中国もまた、デジタルプラットフォームや通信インフラを地域に広げており、多くのアジア諸国は事実上、複数の技術エコシステムの間でバランスを取る状況に置かれている。
競争が激しい一方で、米国と中国はAIの安全性やリスク管理については対話を継続している。
APECでの取り組みは、AIが単なる研究開発分野を超え、国家の経済戦略や外交政策の重要な柱になりつつあることを示している。
資金支援、産業実証、技術標準の普及を組み合わせることで、米国はアジア太平洋地域のデジタル基盤に自国の技術を組み込もうとしている。同時に、中国との競争が続く中でも、安全性に関する最低限の対話は維持するという「競争と限定的協力」の二重戦略が見えてくる。
今後、アジア各国が米国のAIをどこまで採用するのか――あるいは複数の技術圏を併用するのか――その選択は、今後10年の世界のAI勢力図にも影響を与える可能性がある。