このファンドは約2.3兆ドルを運用する世界最大級の機関投資家で、議決権行使の方針は国際的に注目されるため、今回の判断は象徴的な意味を持つとみられています。
ファンドを運用するノルウェー中央銀行投資管理部門(NBIM)は、エルカンの再任について取締役会への出席状況への懸念を理由に支持を見送りました。
さらに背景には、彼が抱える多くの役職があります。
こうした主要ポジションを同時に担っているため、Metaの取締役として十分な時間を割けない可能性が指摘されています。
取締役の「兼務過多(オーバーボーディング)」は、近年機関投資家が重視するガバナンス論点の一つです。企業の監督役としての役割を十分に果たせるかどうかが問われています。
今回注目されたのは、エルカン問題だけではありません。ノルウェーのファンドはMetaの株主総会に提出された複数の株主提案を支持しました。
支持した主な提案には次のようなものがあります。
これらは、AIや人権、情報リスクなど、Metaが抱える社会的・規制的課題への監督強化を求める内容です。
ただし、こうした投資家の不満が必ずしも会社の意思決定を変えるとは限りません。その最大の理由が**Metaの二重株式構造(デュアルクラス株式)**です。
この仕組みでは株式の種類ごとに議決権が異なり、創業者マーク・ザッカーバーグが強い議決権を保有しています。そのため外部株主が多数を占めても、重要なガバナンス改革を実現するのは容易ではありません。
実際、株主提案の一つは**「すべての株式を1株1議決権にする再資本化計画」**を求めるものですが、現行構造では実現のハードルが高いとされています。
Metaは2026年5月27日の年次株主総会で、取締役選任のほかAIデータ利用監督など複数の株主提案について投票を行う予定です。
ノルウェー政府系ファンドが
という姿勢は、Metaの統治体制に対する機関投資家の不満が強まっているシグナルと受け止められています。もっとも、ザッカーバーグの議決権支配という構造がある限り、投資家の圧力がどこまで実際の改革につながるかは不透明です。
公開情報から確認できるのは、エルカンの出席率への懸念、複数の株主提案への支持、そしてMetaの株式構造に関する問題点です。
ただし、Meta側の詳細な公式説明や、エルカンの具体的な出席記録の詳細については、報道ベースの情報が中心であり完全な一次資料が公開されているわけではありません。