モルガン・スタンレーが強気に転じた最大の理由は、AIデータセンター投資の急増だ。
AIモデルの訓練には何千ものGPUを接続した巨大なクラスターが必要になる。そのためデータセンター間やサーバー間を結ぶ超高速ネットワークへの需要が急速に拡大している。
同社の分析によれば、ノキアはこの分野へのエクスポージャーが想定以上に大きい。AI・クラウド関連事業は現在売上の約6%に過ぎないが、四半期ごとに拡大しており、関連市場は年15%以上で成長すると見込まれている。
つまり、規模はまだ小さくても成長率が非常に高い領域という位置づけだ。
AI時代のネットワークで重要なのが、光通信(Optical Networking)とIPネットワークだ。
これらは以下の用途で使われる。
ノキアはこの領域で製品を提供しており、Amazon、Microsoft、Googleのようなハイパースケーラーがデータセンター投資を拡大するほど需要が伸びやすい構造になっている。
実際、同社のガイダンスもこの追い風を反映している。
と予想されており、AI関連需要の加速を示唆している。
もう一つの大きな材料が、Nvidiaとの戦略提携だ。
2025年10月、Nvidiaは10億ドルをノキアへ投資し、同時にAIネットワーク技術の共同開発を発表した。
両社は以下の分野で協力する。
AI半導体で中心的な企業であるNvidiaが出資したことは、市場にとって戦略的な信任シグナルと受け止められた。
AIテーマだけでなく、財務の安定性も投資判断の支えになっている。
ノキアは2025年通期で
を計上しており、業績はガイダンスの範囲内だった。
つまり、AIストーリーは赤字企業の再建ではなく、安定した通信インフラ企業の新しい成長軸として評価されている。
AI関連銘柄としての認識が広がるにつれ、アナリストの見方も変わってきた。
モルガン・スタンレーが目標株価を**€8.50へ引き上げた2026年3月の時点で、AIインフラ需要が成長ストーリーを強化している**と指摘している。
他の証券会社でも評価が改善しつつあり、ノキアは徐々に
「通信機器メーカー」から「AI時代のネットワーク基盤企業」
として見られるようになり始めている。
現在のノキアの投資テーマは、次の要素が重なって形成されている。
これらが続けば、ノキアは単なる通信装置メーカーではなく、AI経済を支える接続インフラ企業として評価される可能性がある。
ただし重要なのは、現時点で確認されているモルガン・スタンレーの目標株価は**€6.50から€8.50への引き上げであり、€14という数字は信頼できる報道では確認されていない**点だ。投資判断では、このような情報の違いを見極めることが重要になる。