ECBはこうした懸念に対し、銀行を排除する意図はないと繰り返し説明しています。
つまり、ECBは基盤となるデジタルマネーを発行し、銀行はその上でウォレットや決済サービスを提供するという役割分担です。
ただし、デジタルユーロはすぐに導入されるわけではありません。
EUの関連法が2026年に成立した場合、
最終的な発行決定は、EUの立法プロセスが完了した後にECB理事会が行うことになります。
もう一つの焦点は、民間主導の欧州決済ネットワークの拡大です。
例えば、欧州の銀行が参加する「European Payments Initiative(EPI)」のウォレットWeroは、各国の決済サービスを連携させることで、約1億3000万人のユーザー基盤を持つネットワーク形成を目指しています。
結果として、欧州では今、二つの方向性が並行しています。
共通の目的は、VisaやMastercardなど海外ネットワークへの依存を減らすことです。しかし誰が決済の基盤を支配するのかという点では、利害が一致していません。
ECBにとってデジタルユーロは金融主権の強化を意味します。一方で銀行にとっては、コスト負担とビジネスモデルの変化を伴う可能性があります。
欧州の「決済主権」をめぐる議論は、まさにこのバランスをどう取るかにかかっています。
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