問題は単なる競争ではなく「コントロール」だ。
同じ懸念はAIでも見られる。現在、最先端のAIモデルやクラウド基盤の多くは米国テック企業によって開発・運用されている。
ルサ氏は、欧州がこれらのプラットフォームに依存し続ければ、次のような領域で主導権を失う可能性があると警告する。
この問題は、EUが近年強く打ち出している「技術主権(Technological Sovereignty)」の議論とも重なる。
同時にEUは、通信ネットワーク、クラウド、AIなどのデジタル基盤への投資も拡大している。
ルサ氏を含む欧州の通信業界は、こうしたインフラ構築には現在よりはるかに大きな投資能力が必要だと主張する。
欧州の通信市場は国ごとに分断され、事業者も多いため、規模の経済が働きにくいと指摘されている。結果として、光ファイバー、5G・6G、衛星通信、AI基盤といった次世代インフラへの投資余力が限られる可能性がある。
業界関係者の間では、通信事業者の統合や規模拡大が進まなければ、欧州は重要技術を「自前で持つ」のではなく、海外企業から借り続ける構図になりかねないという見方もある。
ルサ氏の発言は、欧州全体で広がる議論を象徴している。問題は、世界の技術と協力しながらも、どこまで戦略的自立性を確保すべきかという点だ。
現在、クラウド、AIモデル、衛星通信などデジタル基盤の多くの層で米国企業が主導している。欧州の政策担当者にとっては、経済競争力と安全保障の両方を守るためにどの程度の独立性が必要かが大きな課題となっている。
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