NOAAは現在、ENSO(エルニーニョ・南方振動)警戒レベルを**「エルニーニョ監視(El Niño Watch)」**に設定している。これは、近い将来にエルニーニョが発生する条件が整いつつあることを意味する。
この見通しを支える主な観測データは次の通りだ。
一部のモデルでは、今回のイベントが**「強い」あるいは「非常に強い」エルニーニョになる可能性**も示されているが、最終的な強度についてはまだ不確実性が残っている。
エルニーニョは、太平洋の暖かい海水が大気へ大量の熱を放出することで、地球全体の平均気温を一時的に押し上げる傾向がある。
しかも今回の発生は、すでに非常に暖かい気候状態の中で起きる可能性がある。
NOAAによれば、2024年は近代観測史上で最も暑い年となり、世界の平均気温は20世紀平均より1.29°C高かった。
さらに、1850年以降で最も暑い10年のすべてが直近10年に集中していることも報告されている。
つまり、長期的な地球温暖化による基準の上昇に、エルニーニョによる追加的な熱が重なることで、世界的な記録的高温が発生しやすい条件が整う可能性がある。
2026年春から夏にかけて、ヨーロッパでは強い高気圧による「ヒートドーム」や熱波が発生する可能性があると気象専門家は警告している。
ヒートドームとは、高気圧がフタのように空気を閉じ込め、地域的に熱をため込む現象だ。数日から数週間にわたり異常な高温をもたらすことがある。
ただし科学者は、個々の熱波を直接エルニーニョのせいだと断定することはできないと強調している。実際の熱波は多くの場合、持続的な高気圧など短期的な大気パターンによって引き起こされるためだ。
エルニーニョの主な影響は、地球全体の気温の背景を押し上げることであり、それによって極端な高温が起きる確率や強度が高まる可能性があると考えられている。
カリブ海地域では、すでに気候機関が影響に備えるよう呼びかけている。
気候学者によると、エルニーニョはこの地域でより暑く、乾燥した気候をもたらすことが多い。
特にジャマイカでは、気象局が次のようなリスクを警告している。
同国の気象サービスは、エルニーニョの発達により島全体で降雨量が減り、気温が高くなる可能性があると指摘している。
こうした条件は、干ばつリスクの上昇や作物への熱ストレスなど、地域社会や農業に影響を及ぼす可能性がある。
2026年にエルニーニョが発生する可能性は高いと見られているが、どれほど強いイベントになるかはまだ不確実だ。
一般に、強いエルニーニョほど世界の気候への影響は大きくなる。ただし、中程度のエルニーニョでも降雨パターンや気温、ハリケーン活動などを大きく変えることがある。
現時点で確かなのは、地球の気候システムが再び大きく動き始めているということだ。そして、その変化はすでに記録的に暖かい時代に起きている。
そのため専門家は、今後数年は猛暑、干ばつ、極端気象のリスクが高まる可能性に注意が必要だと指摘している。