世界有数の産油国であるUAEにとって、輸出経路を複数持つことは経済安全保障の観点からますます重要になっている。
このプロジェクトが注目される理由は、ホルムズ海峡の重要性にある。
つまり、わずか数十キロ幅の海上ルートに世界のエネルギー供給の大きな割合が集中しているため、軍事衝突や航行妨害が起きれば、燃料価格や物流、保険市場、さらには世界のサプライチェーンにまで影響が広がる可能性がある。
アル・ジャベルCEOは、もしホルムズ海峡を巡る大規模な混乱が発生した場合、紛争が終わった後でも世界の石油輸送が元の水準近くまで回復するには時間がかかると警告している。
タンカーの再配船、保険の再開、港湾の再稼働、そして市場の安定化など、複雑な物流の再構築が必要になるためだ。
今回のUAEの動きは、エネルギー安全保障の考え方が変わりつつあることを示している。
ホルムズ海峡のようなチョークポイントを回避できるパイプラインや港湾を整備することで、地政学的危機が起きてもエネルギー供給を維持できるようにする狙いだ。
UAEにとってこの西東パイプラインは、単なる輸送インフラではない。世界で最も緊張の高いエネルギー輸送ルートの一つに依存しないための、長期的なエネルギー安全保障の保険でもある。
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