エルデシュは、点をおおよそ √n × √n の格子状に並べる構成を示しました。この場合、単位距離のペア数は
n^(1 + Ω(1 / log log n))
程度になります。
彼はこの構成がほぼ最適だと考え、ν(n)は
n^(1 + o(1))
程度、つまりほぼ線形に近い増え方しかできないだろうと予想しました。
一方で、1984年にスペンサー、セメレディ、トロッターによって証明された上界は
ν(n) = O(n^(4/3))
でした。
つまり数学者たちは長年、
という大きなギャップの間で、この問題を研究してきました。
OpenAIの研究では、平面上の点集合の新しいファミリーを構成し、次を満たすことを示したと報告されています。
ν(n) ≥ n^(1+δ)
ここで δ > 0 は固定の定数で、この関係が無限に多くのnで成立します。
これは重要な意味を持ちます。
エルデシュの予想は「n^(1+o(1))」という、線形よりわずかに大きい程度の増加しか認めません。しかし n^(1+δ) は固定の指数増加なので、nが大きくなるほど差がどんどん広がります。
そのため、この結果が正しければエルデシュの予想は成り立たないことになります。
これまでの多くの構成は、格子のような幾何的配置に基づいていました。
しかし今回のアプローチはまったく異なる分野、代数的数論を使っています。
証明の構成には次のような高度な概念が登場します。
これらの構造から、ノルムが1になる要素を大量に持つ高次元格子が作られます。そしてこの格子構造を平面に写像すると、それらの関係が単位距離の辺として現れます。
つまり、数論的な構造を利用することで、従来の格子よりもはるかに多くの「距離1」の関係を生み出せるわけです。
この結果が公表された後、複数の著名な数学者が内容を検討し、人間が確認した短い解説版の証明が公開されています。
その文書には、以下の研究者が参加しています。
彼らは、証明の要点を整理するとともに、Golod–Shafarevich理論や関連する数論の研究との関係を解説しています。
この結果が特に注目されている理由は、AIが重要な未解決数学問題に対して新しい証明を生み出した可能性があるためです。
これまでにもAIが数学問題を解いた例はありましたが、後になって既存の文献に同じ解が見つかるケースもありました。
今回の結果は、もし最終的に数学コミュニティに完全に受け入れられれば、
「AIが主要な未解決問題に対して独自の数学的洞察を生み出した例」
として歴史的な出来事になる可能性があります。
この規模の結果は通常、数学界で長期間にわたり検証されます。研究者たちは
といった作業を進めることになります。
最終的な評価は今後の研究に委ねられますが、今回の出来事はすでに、AIと人間の協働による数学研究の新しい形を示す例として大きな関心を集めています。