背景には、長年続いてきた制裁とリスク回避の問題があります。
多くの国際銀行はコンプライアンスリスクを避けるため、特定の国全体を対象にサービス提供を控える 「デリスキング(de‑risking)」 を行ってきました。その結果、合法的な取引であっても、シリア関連の顧客や企業は口座開設や国際送金が難しくなりました。
制裁は本来、政府や特定の団体を対象とするものですが、実務上の負担の大きさから金融機関が広範囲にサービスを停止するケースが少なくありません。
リスクの高い地域で金融サービスを提供する以上、厳格なコンプライアンス体制が不可欠です。
nsaveは、口座開設時に以下の国際基準に基づく審査を行っています。
また、次のようなケースではアカウントが制限または閉鎖される可能性があります。
このサービス開始の背景には、シリアを取り巻く政治・規制環境の変化があります。
nsaveは、自社を「経済危機や金融孤立に直面する国の人々のための金融プラットフォーム」と位置づけています。
シリアでの展開は、そのミッションを最も明確に示す例の一つです。
もしこのモデルが機能すれば、厳格なコンプライアンスとフィンテック技術を組み合わせることで、従来の銀行が撤退していた地域でも金融サービスを提供できる可能性を示すことになります。
シリアの人々にとっては、海外からの送金を受け取りやすくなり、安定通貨で資産を保有し、そして世界の金融システムへ再び接続するための小さくも重要な一歩となりそうです。
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