ミラノに本社を置く同社は、ヨーロッパの法律実務に特化したAIプラットフォームを開発しており、今回の資金は欧州展開の加速とプロダクト開発の強化に使われる予定だ。特に最初のターゲット市場としてスペインとドイツが挙げられている。
今回のラウンドはLexroomにとって過去最大の資金調達となる。
主なポイントは次の通り。
同社はこれまでにも約200万ユーロのシード資金や、Base10 Partners主導の約1900万ドルのシリーズAを調達しており、プロダクト開発と顧客基盤の拡大を進めてきた。
ヨーロッパの法律業務は、特にイタリア・スペイン・ドイツ・フランスなどの民法(civil law)圏では、条文や判例、制度ごとの解釈などを詳細に確認する必要がある。こうした作業は時間がかかり、繰り返しの多い業務になりがちだ。
LexroomのAIプラットフォームは、法律専門家の次のような業務を支援する。
狙いは、反復作業をAIに任せることで、弁護士が戦略立案や顧客対応などの付加価値の高い業務に集中できるようにすることだ。
Lexroomの特徴は、汎用的な大規模言語モデル(LLM)だけに依存しない点にある。
同社のシステムは、生成AIに加えて次のような要素を組み合わせている。
この仕組みによって、AIの回答を実際の法的情報源に基づいた形で提示することを目指している。特に法律分野のように正確性が重要な領域では、専門データに基づくAIが汎用モデルより高い性能を示すケースも報告されている。
Lexroomは立ち上げから短期間で利用を拡大している。
報道によると、同社のプラットフォームはすでに8000以上の法律事務所および企業の法務チームで使われている。
また同社は、AIの導入によって法律業務に費やす時間を最大70%削減できると説明している。
欧州には100万人以上の弁護士が存在するとされ、特に中小規模の事務所では高度なテクノロジーへのアクセスが限られているケースも多い。Lexroomはこうした市場を主なターゲットにしている。
多くのリーガルAIは、米国や英国などコモンロー(判例法)圏を前提に設計されている。
一方、欧州大陸の多くの国では**成文化された法律体系(民法)**が中心であり、国ごとに制度や情報源が大きく異なる。Lexroomはこの特徴に合わせて、地域ごとの法制度に適応したAIを構築している。
この「法域特化型」のアプローチが、同社の差別化戦略の中核となっている。
シリーズBで調達した資金は、主に次の用途に充てられる。
リーガルテック分野では近年、AIによる業務自動化への投資が急増している。Lexroomは今回の資金調達を追い風に、欧州発のリーガルAI企業として急成長する存在を目指している。