さらにその数日前の5月12日には、21SharesがHYPEを対象としたETFを先行して投入しており、機関投資家や証券口座を通じた投資家がアクセスできる新しい入口が生まれました 。
これにより、従来の暗号資産取引所だけでなく、株式ブローカー経由の投資資金が流入する可能性が高まり、需要拡大の期待が市場で強まりました。
もう一つの注目材料が、Hyperliquid上で始まった「SpaceX関連パーペチュアル(無期限先物)」です。
Trade.xyzは、SpaceXの株価期待値を追跡する合成デリバティブ「SPCX‑USDC」をHyperliquidの注文板で開始しました。これは未上場企業であるSpaceXの株式価格に対する市場の期待をトレードできる仕組みです 。
この契約は、参考価格150ドル(推定評価額約1.78兆ドル)で開始されました 。このニュースの直後、HYPEは約7%上昇し、ビットコインが下落する中でも逆行高を記録しました 。
この新市場により、Hyperliquidは「暗号資産デリバティブ取引所」から「未上場株などの価格期待を取引する合成市場」へと拡張する可能性が注目されています。
ETF関連ニュースと価格上昇により、HYPEを空売りしていたトレーダーの清算(ショートスクイーズ)が発生したと報じられています。
HYPEは市場全体が弱い中でも上昇し、過去の高値に近い47ドル付近まで到達しました 。価格が急騰すると、空売りポジションは損失回避のために買い戻しを迫られるため、上昇がさらに加速します。
オンチェーンデータでは、500万ドル以上規模の大口入金など、HYPEを買い集める動きも確認されています 。
こうした大口投資家の動きは市場の流動性を減らし、供給を吸収することで価格上昇の勢いを強める要因になります。
Hyperliquidのトークノミクスも強気材料として語られています。
市場の分析では、プロトコル収益の大部分を使ってHYPEを買い戻す仕組みがあり、継続的な買い需要を生む構造になっていると指摘されています 。
新しいデリバティブ商品や取引量が増えれば、取引手数料収益も増え、その一部がトークン買い戻しに回る可能性があります。
重要なのは、この上昇が「暗号資産市場全体の上昇」の結果ではない点です。
実際には、ビットコインが77,000ドルを割り込み、暗号資産市場は大きく下落していました 。その中でHYPEが上昇したことは、ETF・新商品・投機資金など特定の材料による“個別銘柄の再評価”だったことを示しています。
強気シナリオとして挙げられるのは次の点です。
・ETFへの資金流入の継続
・Hyperliquidの取引量増加
・SpaceXのような新しい合成デリバティブ市場の拡大
・プロトコル収益によるトークン買い戻し
一方で、ショートスクイーズ主導のラリーは、空売りが解消されると勢いが弱まることもあります。ETFの資金流入が鈍化したり、ビットコイン主導の市場下落が続いた場合、アルトコインの上昇は急速に失速する可能性もあります。
つまり今回のHYPEの急騰は、暗号資産市場全体の回復というより、「ETF・新市場・資金フロー」が重なったトークン固有のイベントラリーだったと見るのが妥当でしょう。