Azure Linux 4.0ではこの点が大きく変わります。
Microsoftはこのバージョンから、Azure LinuxをAzure仮想マシン向けの正式なサーバーOSディストリビューションとして提供する方針を示しました。つまり、UbuntuやRed Hatの代替としてMicrosoft製Linuxを選択できるようになります。
Azure LinuxはすでにAzureで使われていましたが、用途は限定的でした。
既存の Azure Linux Container Host は、Azure Kubernetes Service(AKS)向けのコンテナノードOSとして設計されています。
役割の違いは次の通りです。
Container Host版は、コンテナを安全かつ効率的に動かすために必要最小限のパッケージだけを含む軽量OSです。
一方でAzure Linux 4.0は、より多くのソフトウェアやシステムツールを利用できるよう拡張され、データベース、バックエンドサービス、APIサーバーなど一般的なLinuxサーバーワークロードを想定した構成になります。
Azure Linuxのルーツは、Microsoftの内部プロジェクト**CBL‑Mariner(Common Base Linux)**です。
CBL‑Marinerは、Microsoftのクラウドインフラやエッジ製品のために開発されたLinux基盤で、主な目的は次の3つでした。
後にこのプロジェクトはオープンソースとして公開され、Azure Linuxという名称で発展していきます。
現在でも多くのAzureコンポーネントやWSLのグラフィック機能(WSLg)などが、このCBL‑Mariner系の技術を基盤にしています。
一部の報道では、Azure Linuxの将来のアーキテクチャとしてFedora技術やRPMエコシステムへの再ベースが検討されている可能性が指摘されています。
もし実現すれば、次のような利点が考えられます。
ただし、Azure Linux 4.0の内部構造やFedoraベース化の詳細については、現時点ではMicrosoftによる正式な技術資料が十分公開されているわけではありません。現在出ている情報の多くは二次報道に基づくものです。
これまでAzure Linuxは主にAzure Kubernetes Serviceのコンテナホストとして利用されてきました。
Azure Linux 4.0では、新たに次の用途が想定されています。
またWindowsユーザーにはおなじみの**WSL(Windows Subsystem for Linux)**とも関係があります。WSLのGUIスタック(WSLg)の一部は、Azure Linux技術をベースに構築されています。
このようにAzure Linuxは、クラウド・コンテナ・開発環境を横断する共通基盤OSとして使われ始めています。
Azure Linux 4.0の登場は、単なるLinuxディストリビューションの追加ではありません。
重要なのは、Microsoftがクラウド基盤のOSレイヤーを自社で完全にコントロールできるようになる点です。
自社Linuxを運用することで、Microsoftは次のような最適化が可能になります。
特に近年のクラウドでは、OSは単なるソフトウェアではなくクラウドプラットフォームそのものの一部と見なされています。
Azure Linuxは、以下のような大規模インフラの基盤として位置付けられます。
つまりAzure Linux 4.0は、MicrosoftがAzureクラウドとAIインフラのスタックをより深く自社コントロール下に置くための重要な一歩と言えるでしょう。