アリババが米国証券取引委員会(SEC)に提出した2026年3月31日終了四半期のForm 13Fは、同社の投資ポートフォリオの一部を示しています。ただし、この書類が示すのはあくまで「米国で報告対象となる株式保有」に限られ、企業全体の投資活動を網羅するものではありません。
今回の提出書類は、むしろアリババのガバナンス構造や米国・香港の二重上場体制を理解するうえでの補助的な情報として見る方が実態に近いと言えます。
最新のForm 13Fで何が報告されたのか
Form 13Fは、1億ドル以上の米国上場証券を運用する機関投資マネージャーに対して、四半期ごとに保有株式を開示するよう義務付けるSECの制度です。対象は主に米国取引所で取引される株式など、SECが定める「13(f)証券リスト」に含まれる銘柄に限られます。![]()
アリババの2026年3月31日終了四半期の提出書類では、概要として次の内容が報告されています。
- 報告された保有銘柄数:2
- 報告ポートフォリオ総額:約6億5,257万ドル
- 他の共同管理マネージャー:0
![]()
この数字だけを見ると規模が小さく見えますが、重要なのは13Fが米国上場株に限定された開示である点です。つまり、アリババの世界中の投資や事業資産を反映した「全体のポートフォリオ」ではありません。
WVR(加重議決権)構造と株主ガバナンス
アリババの統治構造で特に特徴的なのが、香港上場ルールでいうWeighted Voting Rights(WVR)構造です。
興味深い点として、同社は形式上は1種類の株式で1株1議決権という一般的な仕組みを採用しています。しかし実際には、会社の定款によりAlibaba Partnershipという内部パートナー組織に特別な権限が与えられています。![]()
具体的には次の通りです。
- Alibaba Partnershipは、一定条件が満たされている限り
- 取締役会の単純過半数までを指名または任命する独占的権利を持つ
- この仕組みが香港取引所のルールではWVR構造と分類される
![]()
Comments
0 comments