エルニーニョは、太平洋の中央〜東部の海面水温が通常より高くなる現象です。この変化が大気の循環を変え、世界各地の天気パターンに影響します。
典型的には次のような影響が報告されています。
• 熱波:エルニーニョは世界平均気温を一時的に押し上げるため、すでに暑い地域では熱波がより強くなることがあります。
• 山火事:高温と降雨パターンの変化により植生が乾燥し、火災シーズンが長引く可能性があります。
• 洪水:大気循環の変化によって、ある地域では豪雨が増え洪水リスクが高まることがあります。
• 干ばつ:一方で別の地域では降雨が減り、農業や水資源への圧力が強まることがあります。
つまりエルニーニョは「世界全体が同じ天気になる」わけではなく、地球規模で雨や熱の分布を組み替える現象といえます。
研究者が強調するのは、エルニーニョ自体は何千年も続く自然現象だという点です。
変わったのは、その背景となる地球の気候です。
温室効果ガスによる地球温暖化によって
このため、数十年前なら中程度だったエルニーニョでも、現在ではより強い熱波や豪雨、干ばつを引き起こす可能性があると研究者は指摘しています。
NOAAはこうした長期的な海洋温暖化の影響を考慮するため、2026年に新しい指標**「Relative Oceanic Niño Index(RONI)」**を導入しました。
気象現象が「災害」になるかどうかは、社会の脆弱性にも大きく左右されます。
例えば、気候関連災害の増加により住宅保険の保険料が上昇し、地域によっては保険自体が入手しにくくなっていると指摘されています。
また研究では、災害による住宅被害や再建費用の増加が住宅の手頃さや家計の安定性をさらに悪化させる可能性も示されています。
さらに、気象予測や災害対応を担う機関の人員や研究能力が縮小すると、事前の警戒や対応能力が弱まる恐れがあると専門家は警告しています。
2026年にエルニーニョが発生する可能性は高まりつつあり、もし形成されれば世界各地の気象パターンを大きく変える可能性があります。
しかし科学者が強調する重要な点は次の通りです。
危険なのはエルニーニョそのものではなく、すでに温暖化した地球の上でそれが起きることです。
気候システムの基準がすでに高温側にシフトしているため、たとえ中程度のエルニーニョであっても、過去より強い熱波、激しい雨、深刻な干ばつ、そして広範な山火事リスクにつながる可能性があります。