重要なのは、これが「全Instagramユーザーが標準で使っていた暗号化DMの終了」ではない点です。Engadgetは、Instagramの暗号化DMは標準設定ではなく、全ユーザーに提供されていたわけでもなく、一部地域でチャットごとにオンにする方式だったと報じています。 MacRumorsも、Instagramの暗号化メッセージは2023年から任意機能だったと伝えています。
日常的には、InstagramのDMはフィード投稿のように公開されるものではありません。一方で、エンドツーエンド暗号化は、メッセージの内容を送信者と受信者が読めるようにし、サービスを運営するプラットフォーム側が内容を読みにくくするための技術です。
そのため、任意の暗号化DMモードが終了すると、MacRumorsは、MetaがInstagram上のメッセージ内容を閲覧できる可能性があると伝えています。 「DMだから非公開」と「E2EEで技術的に保護されている」は、同じ意味ではありません。
Metaの広報担当者は、DMでエンドツーエンド暗号化を選ぶ人はごく少なかったため、今後数か月でInstagramからこの選択肢を削除する、という趣旨の説明をしています。
ただし、この説明には留意点もあります。報道によれば、この機能は標準設定ではなく、提供地域も限定され、チャットごとに手動で有効化する必要がありました。 つまり、利用者が少なかったというMetaの説明は報じられていますが、すべてのInstagramユーザーに目立つ形で広く提示され、そのうえで選ばれなかった、とまでは言えません。
現時点で明確なのは、対象ユーザーは期限前に必要なメッセージや共有メディアをダウンロードするよう案内される、という点です。
一方でProtonは、Instagramが「なぜ期限前のダウンロードが必要なのか」「5月8日以降に該当する会話がどう扱われるのか」「削除されるのか」を公に説明していないと指摘しています。 Metaからより詳しい説明が出るまでは、大切な会話やファイルは期限前に保存しておく前提で動くのが安全です。
InstagramがDMを終了するわけではありません。終了するのは、DMで任意に使えたエンドツーエンド暗号化モードです。サポート終了は2026年5月8日以降とされています。
これまで暗号化DMを使っていなかった人にとっては、日々の使い勝手は大きく変わらないかもしれません。ですが、意識して暗号化チャットを使っていた人にとっては、プライバシーの前提が変わります。対象チャットがある場合は、必要な内容を期限前に保存し、今後のセンシティブな会話はエンドツーエンド暗号化が続くサービスで行うことを検討したいところです。