これに対し、2026年5月7日に発生した戦闘は、その規模と結果が詳細に確認されている。CENTCOMの発表によると、ペルシャ湾からオマーン湾に向けて航行していた米駆逐艦「トラクスタン」「ラファエル・ペラルタ」「メイソン」の3隻に対し、イスラム革命防衛隊(IRGC)を含むイラン軍が、弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人機、小型高速艇による多波長攻撃を敢行した。
米軍はこれを「一方的な挑発行為」と非難。AEGISシステムを中心とする防空網で全ての脅威を迎撃し、米艦艇への被害はゼロだったと発表した
。さらに、自衛権に基づく反撃として、攻撃の出撃拠点となったイランのゲシュム島とバンダレ・アッバースの軍事施設を破壊した
。一方、イラン国営メディアは、この攻撃で米駆逐艦が損傷したと真逆の主張を展開した
。
こうした散発的な衝突から大規模戦闘までが続く根本的な要因は、米国がイランに課した厳しい経済封鎖にある。
トランプ大統領は2026年2月末、イランの弾道ミサイルや無人機、海軍戦力の無力化を目的とした「エピックフューリー作戦」を発動。この作戦の中核として、4月中旬までにイラン港湾への海上封鎖を完全に確立した
。CENTCOMのブラッド・クーパー司令官は、この封鎖によりイランの海上交易の推定9割が停止されたと述べている
。
この危機のもう一つの特徴は、イラン国内向けと見られる「戦果」の発表と、米軍による完全否定の応酬だ。
これに対し、CENTCOMは真っ向から否定。クウェートやバーレーンに向けて発射されたイランのミサイルが「すべて迎撃されたか、目標に届かずに落下した」と発表し、第5艦隊司令部への着弾という事実はないとしている。
ペルシャ湾とその周辺海域は、米軍の徹底した迎撃能力と、イランの「被害を与えた」とする情報発信が交錯する場となった。
確認された事実:
主張されているが未確認の事項:
この危険な情報と実戦の連鎖は、米国の封鎖が続き、外交的な打開策が見えない限り、必ず繰り返されるだろう。イランが国内的な求心力を保つために「成果」を発表し、米国がそれを「事実無根」と断じる構図が、このホルムズ危機のもう一つの常態となっているのである。
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