新設されるVFVNは、VinFastの中核となる事業を担います。主な役割は次の通りです。
つまり、EVの設計・ブランド戦略・顧客ビジネスといった価値の高い領域をこの会社に集中させる形です。
一方、VFTPには主に生産関連の資産が残ります。
具体的には次のような内容です。
この構造により、製造インフラとグローバル事業を明確に切り分けることになります。
VFTPの買収を予定しているのは、Future Investment Research and Development Joint Stock Companyが主導する投資家グループです。
このグループには、VinFast創業者でCEOのファム・ニャット・ブオン(Pham Nhat Vuong)氏も少数株主として参加します。
売買契約は2026年5月12日に締結され、価格は約13兆3,096億ドン(約5億3,000万ドル)。これは2026年3月31日時点のベトナム会計基準に基づくVFTPの純資産簿価を基準に、独立した条件で交渉されたものとされています。
製造部門を売却しても、VinFastがベトナムでの車両生産を停止するわけではありません。
代わりに、VFVNとVFTPの間で製造・供給契約を締結する予定です。
この契約により:
つまり、製造は外部企業が担いながらも、製品とブランドの主導権はVinFastが維持する形になります。
VinFastによると、この再編の目的は資本効率の向上と経営の柔軟性です。
製造設備は自動車産業の中でも特に投資額が大きい分野です。そこで会社は次の効果を狙っています。
このような「ブランドと技術を中心に据え、製造は外部に任せる」モデルは、近年テクノロジー企業や一部の自動車メーカーでも採用されるケースがあります。
今回の再編はVFTPおよびその子会社に限定されるとVinFastは説明しています。
そのため、海外の事業には影響はなく、同社は引き続きインドやインドネシアでの製造プロジェクトを保有・運営する予定です。
取引の完了にはいくつかの条件があります。
これらが満たされれば、取引は2026年第3四半期までに完了する見込みです。
今回の再編によってVinFastは、
という二層構造になります。
製造設備の所有から距離を置きながらも生産能力は維持することで、同社は資本負担を軽くしつつ世界市場でのEV事業拡大と収益改善を目指す戦略です。