eSIMはスマートフォン本体に組み込まれたデジタルSIMで、通信プランをオンラインで追加できる仕組みだ。TruecallerのトラベルeSIMでは、旅行先の国に合わせてデータプランを購入し、数分でスマートフォンにインストールできる。
特徴は次の通り。
通話やメッセージは、WhatsAppやFaceTimeなどのインターネットアプリを利用して行う形になる。
TruecallerのトラベルeSIMは、長期契約の携帯プランではなく旅行向けの短期データ通信に特化している。
主なプラン例:
通信は150カ国以上で利用でき、同じeSIMを使って新しい国のデータプランを追加することもできる。
サービス開始時点では29カ国で販売されており、主に欧米・オセアニアの市場が中心だ。例として次の国が含まれる。
一方、Truecaller最大の市場であるインドは初期リリースに含まれていない。これはeSIMや通信サービスに関する規制の影響とみられている。
このサービスの通信インフラは、スウェーデンの通信技術企業Telness Techのプラットフォーム「Seamless OS」が支えている。
Truecaller自身が通信事業者としてネットワークを運営するわけではなく、Telness Techの基盤を利用することで、比較的軽い投資でモバイルデータ市場に参入できる仕組みだ。
トラベルeSIMは、海外でのモバイル通信を必要とする旅行者を主なターゲットにしている。
想定される利用者:
出発前にスマートフォンへeSIMを設定しておけば、到着後すぐに通信が利用できるため、空港でSIMカードを購入する手間も省ける。
背景には、同社の財務状況の変化がある。
2026年Q1の業績では、Truecallerは以下のような厳しい結果を報告した。
さらにEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)も大きく低下した。
Truecallerはこれまで広告収入への依存度が高かったが、広告パートナーのアルゴリズム変更などにより収益が不安定になっているとされる。
そのため、eSIMのような利用ごとに課金されるトランザクション型サービスを導入し、収益構造を多様化しようとしている。
Truecallerは依然として巨大なユーザーベースを持つ。2026年初頭の時点で、
この規模のユーザーに対して通信や旅行関連のサービスを提供すれば、新しい収益機会が生まれる可能性がある。
例えば:
Truecallerは現在、サブスクリプションや企業向け通信ツールなど継続収益型のビジネスを強化している。
トラベルeSIMはその延長線にある取り組みで、広告だけに頼らないビジネスモデルへの転換を象徴するサービスだ。
もしこの分野で成功すれば、Truecallerは単なる「発信者識別アプリ」から、グローバルな通信・接続サービス企業へと進化する可能性もある。