2025年から2026年にかけて新規発行が増えた背景には、暗号資産取引、決済、機関投資家の資金管理などでドル建て流動性への需要が高まったことがあります。
一般的にステーブルコインの供給量は、次のような用途が増えるほど拡大します。
RLUSDもこれらの用途に組み込まれることで供給が拡大してきました。
大きな転機の一つは、2026年1月のBinance上場です。
BinanceはRLUSDのスポット取引を開始し、以下の取引ペアを提供しました。
さらに、同取引所はRLUSDを以下のサービスにも統合しました。
こうした統合により、RLUSDは単なる取引ペアにとどまらず、担保資産、運用資産、取引資金として使われるようになります。通常、ステーブルコインは取引所の複数プロダクトに組み込まれると利用量が大きく伸びる傾向があります。
機関投資家向けインフラでもRLUSDの採用が進んでいます。
デジタル資産インフラ企業Copperは、RLUSDを同社のStablecoin Rewards Programに追加しました。
この仕組みでは、機関投資家が次のような形でRLUSDを利用できます。
特にヘッジファンドやマーケットメーカーなどにとって、規制対応のカストディ環境で利回りを得られることは重要な要素です。こうしたサービスは、ステーブルコインを単なる取引資金から機関投資家のバランスシート資産へと変える可能性があります。
もう一つの重要なトレンドが、実世界資産(RWA)のトークン化です。
債券、ファンド、銀行預金、コモディティなどの金融資産をブロックチェーン上で発行・取引する動きが広がっています。
データによると、XRP Ledgerには約41億ドル相当のトークン化資産が存在しており、RWA分野で比較的活発なネットワークの一つとなっています。
こうした市場では、ブロックチェーン上の取引を完結させるためにドル建てステーブルコインが決済通貨として使われるケースが多く、RLUSDの需要増加につながる可能性があります。
その例として注目されているのが、オーストラリアの中央銀行であるReserve Bank of Australia(RBA)と研究機関DFCRCが主導したProject Acaciaです。
このプロジェクトでは、デジタルマネーや分散型台帳技術(DLT)が機関投資家向けトークン化資産市場でどのように使えるかを検証しました。
実証実験は複数のブロックチェーンで行われ、その中にはXRP Ledgerも含まれています。
一部の報道では、XRP Ledger上でオーストラリア国債をトークン化し、RLUSDで決済したパイロットが行われたとされています。
ただし、RBAの公式報告書は複数のDLTでの実験を確認しているものの、RLUSDによる具体的な決済の詳細までは明示していません。そのため、この点については慎重に解釈する必要があります。
それでも、このような実験は、将来の金融市場でステーブルコインが機関投資家向け決済資産として利用される可能性を示すものといえます。
現在の流通量が約17.6億ドルであることを考えると、約2.4億ドル分の新規発行で20億ドルに到達します。
その成長を支える可能性のある要因は次の通りです。
これらはすべて、RLUSDをブロックチェーン金融市場の決済通貨として使う場面を増やす要因です。
もっとも、20億ドル突破はまだ将来の可能性に過ぎません。
ステーブルコインの供給量は、取引や決済に必要な実際の需要によって変化します。市場環境や規制の変化によって成長ペースが変わる可能性もあります。
それでも、取引所のインフラ、機関投資家向けサービス、そしてトークン化金融の実験が重なっていることから、RLUSDが機関投資家向けブロックチェーン金融の重要な決済資産として位置づけられつつあることは確かです。