メモリ(RAM)不足と部品価格の上昇は、Valveの携帯型ゲーミングPC事業に重いコスト圧力をかけている。ただしValveは、将来のSteam Deck 2を中途半端な性能向上のモデルとして出すつもりはないという立場を崩していない。
Valveのソフトウェア開発者ピエール=ルー・グリフェイス氏は2026年9月、メモリ不足が次期Steam Deckの計画に影響したかと問われ、「そうでもない」と回答。将来のSteam Deckには「明確に線引きできる性能向上」が必要だという従来の考え方で検討を続けていると語った。
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Steam Deck 2に求めるのは「新世代」と呼べる進化
Valveは以前から、次世代Deckを単なるマイナーチェンジにはしない考えを示している。2025年11月、グリフェイス氏は、独立した新製品として意味を持つだけのアップグレードでなければならず、20%、30%、あるいは50%程度の向上では十分ではないという趣旨を述べた。
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さらに2026年6月には、目標には近づいている一方で、現時点で利用できるチップは、携帯機として求める大幅な性能向上を、消費電力やバッテリー駆動時間を犠牲にせず実現するほど効率的ではないと説明している。
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つまり、Valveが見ているのは処理性能の数値だけではない。携帯機として成立する電力効率とバッテリー持続時間を保ちつつ、誰が使っても世代交代を実感できる性能差を出せるかが条件になる。
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未定なのは「目標」ではなく、いつ・どう届けるか
Steam Deck 2について、Valveは発売時期、搭載SoC(CPUとGPUなどを統合したチップ)、メモリ構成、価格、最終仕様を発表していない。9月の発言も、現在の市場環境を踏まえ、狙った製品を「いつ、どのように」提供できるかを見極める段階だというものだった。
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不確定要素は大きく2つある。
- 技術面:携帯機の電力・電池性能を維持しながら、大幅な性能向上を実現できるほど効率的なチップを待っている。
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- 事業面:メモリやストレージの高騰により、納得できる価格で製品を成立させにくくなっている。
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これは開発中止の根拠でも、発売が近いという発表でもない。Valveが性能の基準を維持したまま、投入時期を固定していないことを意味する。したがって、2028年発売とするうわさは、現時点では会社の公式ロードマップではなく推測として扱うべきだ。
現行Steam Deck OLEDの値上げが示す部品高の重さ
部品コストの影響は、すでに販売中のSteam Deckで表面化している。2026年5月、Valveは米国でSteam Deck OLED 512GBの価格を549ドルから789ドルへ引き上げた。240ドル、約43%の上昇で、理由としてメモリとストレージのコスト増を挙げている。1TBモデルも649ドルから949ドルになった。
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新しいハードウェアにもコスト圧力は及んでいる。報道された英国価格では、Steam Frameは256GBモデルが889ポンド、1TBモデルが1,089ポンドとされる。
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これらの価格だけで、Steam Deck OLEDやSteam Frameの需要減を数値で断定することはできない。提供された報道には販売減を定量的に裏付ける信頼できるデータがないためだ。一方で、店頭価格の上昇がSteam Deckの強みだったコストパフォーマンスを維持しにくくするのは明らかである。
競合が進んでも、Valveが待つ理由
Valveの方針は、毎年のように新型を投入する戦略とは異なる。公開発言からは、性能差が小さい、バッテリー特性を損なう、あるいは価格が魅力を削ぐ製品を急いで出すより、適したプラットフォームを待つ判断が読み取れる。
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待てば、その間に競合する携帯型ゲーミングPCが新モデルを投入する余地は広がる。それでもValveにとっては、妥協したチップや高額なメモリを前提にSteam Deck 2を定義してしまうリスクを避ける意味がある。現行OLEDモデルの値上げは、その価格リスクが机上の話ではないことを示している。
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結論:性能のハードルは維持、発売条件はまだ整っていない
RAM不足がValveに最もはっきり影響したのは、現行製品の価格だ。一方でSteam Deck 2について、Valveは「明確な世代間の性能向上」を求める方針から後退したとは述べていない。
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購入を検討する側が押さえるべき点はシンプルだ。Steam Deck 2は未発表で、発売日も価格も確定していない。部品不足は投入タイミングや価格設定を左右し得るが、Valveが掲げる性能基準そのものは変わっていない。
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