White Circleのプラットフォームは、ユーザーやアプリケーションとAIモデルの間に配置される監視・制御レイヤーとして機能します。
通常、AIの安全性はリリース前のテストや監査に依存することが多いですが、同社はそれだけでは不十分だと考えています。そこで、すべてのAIリクエストとレスポンスをリアルタイムで分析し、ポリシーやセキュリティルールを適用する仕組みを提供しています。
この仕組みにより企業は次のようなことが可能になります。
同社はこの仕組みを、AIを**「テスト・保護・監視・改善」するための継続的な運用レイヤー**と位置づけています。
生成AIを急速に導入する企業が増える中で、いくつかの典型的な問題が顕在化しています。White Circleはこうした問題をリアルタイムで検知・防止することを目標としています。
大規模言語モデルは、もっともらしいが誤った回答を生成することがあります。White Circleは出力を分析し、矛盾や疑わしい回答を検出してユーザーに届く前に警告またはブロックできます。
攻撃者は特殊なプロンプトを使い、AIの安全ルールを回避したり機密情報を引き出したりする場合があります。プラットフォームはプロンプトと出力の両方を監視し、こうした攻撃を検知して遮断します。
時間の経過とともに、入力データやユーザー行動の変化によってAIモデルの挙動が変化することがあります。継続的な監視により、こうした予期しない挙動の変化を検知できます。
生成AIは、プロンプトや外部データ連携を通じて機密情報を誤って出力するリスクがあります。White CircleはAIのやり取りをスキャンし、機密データの漏えいを検知・防止する機能を提供します。
AI支援コーディングや高速なプロトタイピングにより、十分な監視体制がないままAI機能が本番環境に投入されるケースも増えています。White Circleは、こうした環境での運用レベルの安全レイヤーとして導入されることを想定しています。
White Circleの創業者はエンジニアの デニス・シロフ(Denis Shilov) です。
彼は2024年、単一のプロンプトで複数の主要AIモデルの安全フィルターを回避できることを実証し、大きな注目を集めました。
この手法は「ユニバーサル・ジェイルブレイク」と呼ばれ、AIに「安全ルールを持つチャットボットではなく、APIエンドポイントとして振る舞うよう指示する」ことでガードレールを回避するものでした。
この実験は、モデル内部の安全対策だけでは不十分な場合があることを示し、外部の監視・制御レイヤーの必要性を浮き彫りにしました。
White Circleは最近、AI業界の著名人物から1100万ドルのシード資金を調達しました。
主な投資家には次の人物が含まれます。
AIの基盤技術や開発ツールを牽引してきた人物が参加していることから、AIの安全性と監視インフラへの関心の高まりがうかがえます。
今回の資金は主に次の用途に使われる予定です。
報道によると、同社のプラットフォームはすでに10億件以上のAPIリクエストを処理しており、AIを大規模に運用する企業での利用が始まっているとされています。
生成AIが顧客サポート、ソフトウェア開発、金融サービス、社内業務の自動化などに組み込まれるにつれ、焦点は「モデルを作ること」から**「安全に運用すること」**へと移っています。
White Circleのような企業は、この新しい課題に対してAIスタックの不足していたレイヤーを提供しようとしています。
リアルタイムでAIの挙動を観測し、リスクを検出して制御する仕組みは、今後AIが企業の基盤システムになるほど重要になる可能性があります。