2026年3月5日に発表された第2世代ブレードバッテリーは、BYDにとって6年ぶりのバッテリー大幅改良となる 。リン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)とシリコンカーボン負極を採用し、急速充電向けの「ショートブレード」と長距離向けの「ロングブレード」の2種類を設定した
。
欧州では、YouTubeチャンネル「Out of Spec Roaming」がパリでデンツァZ9 GTを用いた独自テストを実施。その結果、10%→70%充電が5分20秒、10%→97%充電が9分22秒と、BYDの公称値に迫る実性能が確認された 。
需要と生産の乖離は、BYDの受注台数に最も明確に表れている。
BYDの独自「フラッシュ充電」ネットワークも、バッテリー技術に劣らぬ速度で拡大している。2026年3月5日に中国でサービスを開始すると、わずか27日間で5,000ステーションに到達。5月上旬には300都市以上で5,715カ所以上に達した 。BYDの月間充電設備増設量(パワー出力ベース)は、テスラの全世界の約2.4倍に相当する
。
欧州展開も始まったばかりだ。
この回復ぶりは、BYDの賭けが正しかったことの証左だ。フラッシュ充電は「電動化の大きな課題を解決した」ものであり、これまで航続距離や充電時間への不安からEVを敬遠していたユーザー層を取り込んでいる 。
王伝福会長は「5年以内に世界最大の自動車メーカーになる」との外部報道に対し、具体的な期限を公に設定していないと明言した。しかし道筋は明確だ。王会長は約1,000人の株主を前に、2027年の生産能力大幅増強が完全な販売ボリュームを解き放つと強調。ステラ・リー副社長は「中国の自動車販売の80%が近くEVになる」と予測し、BYDがその波に誰よりも巧みに乗る構えを見せている 。
ボトルネックは痛みを伴うが、一時的なものだ。月間バッテリー生産量が需要に追いつき、世界の二大自動車市場で充電網が拡大すれば、「9分充電」と「1,000 km走行」を両立するBYDのポテンシャルは、2027年に生産ラインがフル稼働した暁には、世界一の座を本格的に狙える位置へと押し上げている。
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